何千万件という年金の記録漏れ・消失問題で、政府や社保庁幹部どころか労働組合の責任まで取りざたされています。それも、「1日5000キータッチ以内」だとか「端末画面で50分作業したら15分間休む」といった労働安全衛生環境についての労使協定を問題視して大騒ぎすることに続いて、社保庁長官は「職員全員の夏季賞与の自主返納」を言いたて、塩崎官房長官に至っては「自主返納に応じない職員については、社保庁解体後の再雇用を行わない対象とすることもある」などという労働法違反の脅しすら行っています。強制的に徴収されていた年金の記録が消失するという、国家の存亡にかかわる大問題が表面化したにもかかわらず、それを労働者・労働組合の問題にすり替えようとするという天下の大ペテン。盗人猛々しい(ぬすっとたけだけしい)とはこういうことです。
そもそも、「1日5000キータッチ、50分作業で15分休息」は、厚労省(当時は労働省)の指針に従っただけのこと。それを問題とすること自体、労働安全衛生法を踏みにじるもの。労働環境を切り捨てるなら、JR尼崎事故の例を見るまでもなくミスの頻発となるのは必至であって、現に、社会保険業務の民営化・外注化が今回の膨大な入力ミスを招いたことは周知の事実。それを、労働組合のせいにするとは何事か! こういうのを破廉恥(ハレンチ)というのです。
しかし、もっと許せないのは、当該の社保庁労組自体が、社保庁幹部と一体となって平謝りしていることです。「今は労働条件よりも信頼回復のとき。低姿勢で行くべき」などとして、体を壊すほどのサービス残業に全面協力するばかりか、「賞与の自主返納に積極的に応じる」などという声明まで出すとはどういうことでしょうか。ここまで屈服的だからこそ、当局の側になめられまくられて先の官房長官談話も出てくるのです。
ことは、国鉄分割民営化以上の重大事態。国家の側の不正義性が限りなく明らかなのですから、あくまで労働組合として労働者の利害を貫くべきなのです。そうした断固とした態度が現場で苦しむ労働者に勇気を与え、団結を生むこととなるのです。労働組合に責任を転嫁する政府の横暴を許してはならない。そして、労働組合本来の任務を投げ捨て体制擁護と労働者の権利放棄に走る御用組合幹部を打ち倒して闘いに立ち上がることこそ、労働者のすべき第一歩ではないでしょうか。(W)
*写真は、6・23杉並まるごと民営化絶対反対の区役所前デモ。年金や介護保険問題で、沿道の人たちも大注目。


































