明るい日差しの下のサナアもいいですが、またひと味違った雰囲気が楽しめるのが夕暮れ時。陽がかたむいて、周囲の色合いが変わってきたことに気付くと、それっとばかりに屋上に上ります。眼下には何度見ても飽きないサナアの街が広がり、夕日に照らされて刻々と移り変わる姿を見せてくれるのです。
3月のサナアは午後雨が降ることが多いのですが、この日は空がピンクに染まりました。それと同時に街の色も、赤紫のような色に染まっています。なんだか妙な色合いですが、幻想的でなかなかいい感じ。赤い光はだんだんと薄れて行き、闇が支配する前の青いサナアもまた素敵です。
サナアがあまりに素晴らしいので、1週間の予定でイエメンに来たある旅人は、サナアから一歩もでずに屋上でのんびりしていました。私にとっても、ここまで手放しでホレ込めるような街は珍しいかも。この美しい街並みを、朝と夕暮れと夜に輝く姿を、毎日ずうっと見続けられたらどんなにいいでしょう・・・。1ヶ月ぐらいあればきっと理想的だったでしょうに。実際は1週間ほどでサナアを後にしましたが、去るときも悲しくて未練たらたらの私でした。