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| ボリビアのラ・パスの中心部。忍者がいるとは思えない街並み |
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■何気なくもらった新聞記事に■ ある日、ボリビア憲法上の首都・スクレのうらぶれた安宿にて。ベッドの上で新聞をぱらぱらとめくっていた私は、我が目を疑うような見出しを見つけた。そこにはこう書かれてあった。 「ニンジツ・ボリビアーノ ニンジツって一体何のこと?まさか?! この英字新聞「The Llama express」は、ラ・パスの観光案内所で手に入れたもの。とりあえずもらっとくか、と軽い気持ちで持ち帰ったこの無料の新聞に、こんな面白い記事が載っていようとは。しかもこの忍者学校の場所と、Eメールのアドレスまできちんと記されているではないか。 これはぜひとも行ってみたい!もしできれば忍術を2、3日習ってみるのもいいかもしれない。そしてそれをぜひホームページで紹介したい!!自国の文化がこうして外国で伝えられているのを見るのは、日本人旅行者にとってある意味義務ではないのか!? こうして久々に取材魂に火がついたのだが、何せラ・パスを出てこのスクレに到着したばかり。また12時間もかかる寒い夜行バスを使ってわざわざ戻る気にもなれない。せめてアポがとれれば確実に訪問できるわけだから、まずはメールで取材の申し込みをしてみた。頑張ってスペイン語と英語の両方で用件を書き、ワクワクしながら送ってみた。さて、その結果やいかに・・・? ■まずは記事を紹介■ ここでは「The Llama express」誌2004年5月号に掲載の記事「Ninjitsu Boliviano」を訳して紹介することにする。非常にシンプルな英語で書かれているのだが、なにせ私の語学力も大したことはないのであやしい点があったらすみません。また忍術が中国起源とされているところなど、内容的におかしな部分は私の責ではありません。
「ボリビアの忍術―ラ・パスで忍者として生きる―」 フアン・パブロ・ペニャロサ・ブレテルはボリビア人の忍者だ。25歳、ラ・パスのトン・アミダ流忍者学校でインストラクターとして働いている。忍術は古代の戦争芸術であり哲学で、その起源は日本と中国にある。約40年前に日中の移民によってボリビアにもたらされたが、1983年以前は日本人と中国人だけが学ぶことを許されていた。 フアン・パブロは18歳で忍術を学び始めた。学校で働くのは週6日のみだがトレーニングは毎日欠かさず、「忍術は生きる術だ」と言う。 この学校はラ・パスのビジャ・コパカバーナVilla Copacabanaに道場を持ち、非営利目的の事業として運営されている。生徒は最低限の学費をおさめ、学校は両性と全ての年齢の人々に開かれている。女性の参加は歓迎され、3人の女性教師もいる。 校長のマルコス・トロは3歳の時に忍術を習い始めた。日本に住み修行したこともあり、他人が学ぶのを援助するのも好きだ。日本留学はフアン・パブロの夢でもある。彼は言語学を専攻したが、ボリビアではこの分野で仕事を見つけるのが難しい。そこで忍術のインストラクターとしての道が、彼の前に開けてきたというわけだ。ラッキーなことに、フアン・パブロは一度も学校以外で技を使ったことがない。彼が自信たっぷりなので、人々は戦いを挑みにくいのだろう。 忍術を学ぶ生徒は白、赤、紫、茶色、黒の帯の色によってランクづけされる。基本のトレーニングは、敵を投げたり制したりするさまざまな術の練習と、必殺ポイントを見定める術を学ぶことだ。この後床にマットが敷かれ、アクロバットやとんぼ返りを練習する。さらにレベルが上の生徒は武器で戦うことが許される。この学校は練習用竹刀から槍、小刀、ヌンチャク、手裏剣(忍者が投げる星・《笑》)、弓矢までさまざまな武器を有しているのだ。 忍術の持つ別の顔は、隠密と隠匿の術である。学校は年に一度「ゴトンポ」を行なうが、これは森の中で行なわれる戦闘シミュレーションで、生徒の忍びの能力を鍛えるいい機会となる。ほとんどのトレーニングが忍術の肉体的戦闘的な面に重点を置いているが、フアン・パブロを魅するのはその精神面だ。忍術とは完璧な戦闘芸術家になるためのものではなく、より優れた人になるためのものだと彼は考える。学校では瞑想が教えられ、自然とのつながりが重視される。生徒は盆栽の育て方を学ぶ。この学校は文化センターも開設しており、絵画、彫刻、ダンス、劇などに重点を置いている。フアン・パブロは忍者であることの効能は、幸福になれることだと主張する。 これは冷血な暗殺者という、忍者のもつイメージとは正反対のものだ。フアン・パブロはこのイメージを払拭しなければならないと信じている。生徒はいかに上手に戦えるかではなく、忍術の理想をどの程度心に受け入れたかによってランク付けされる。もしある生徒がまじめに良心を持って練習に取り組んでいないと判断されたら、学校の武器を用いての練習は許されない。この学校は安全に関しては万全を持し、これまで誰も練習中に骨を折ったことがないという。 忍術について思うところを生徒に質問したところ、どんなに自分の生活が良くなったかということを全員が強調した。大きな自信を得た者もあれば、暴力的な怒りをコントロールする助けとなったと言う者もある。あるインストラクターは柔道と空手を試したが、忍術の精神的な面がそれらよりずっと役立ったと言う。忍術がよりよい人格を作る助けとなったり、物質主義に堕するのを免れさせてくれたと言う者もある。ある生徒は麻薬やアルコールの問題を抱えていたが、忍術によってそれらから開放された。またここのかつての生徒達は、ブラジルやペルーにて特別な軍隊に職を得ているという。 -----------------------------
■取材依頼のメールには・・■ さて、訳しながらも非常に面白かったのだが楽しんでいただけただろうか?日本でさえありそうでいてない忍者学校がこんな南米アンデスの山奥にあり、しかも「人生を変えてくれる」ということで人気を集めているなんて。こんなこと一体、日本の誰に想像できるだろうか。まこと世の中には面白いこともあるものだ。 しかもそんなボリビア忍者OBたちが、ブラジルやペルーで軍隊に入っているとは!これは実は笑ってなどいられない非常事態なのかもしれない。いつかこれらの国が戦争になった時、もしかしたら「忍者部隊」なるものが大活躍して、世界を恐怖に陥れるかもしれないのだから・・・? とにかくこんなおかしくも素晴らしい忍者学校、ぜひとも訪れて日本的忍者精神をたたきこんでもらいたかったが、案の定何日待っても送った取材申し込みメールには返事が来なかった。このメールアドレス、ちゃんと使えていないのかチェックしていないのか。それとも私のスペイン語がヘタすぎてゴミ箱行きとなってしまったのか・・? 予想はしていたもののボリビアならではの頼りなさといい加減さにがっかりし、かと言って直接現地に乗り込んでいく勇気も湧かず、結局忍者学校取材はあきらめてボリビアを去ったのであった。もしラ・パスにいたときにこの記事を読んでいたらすぐさま現場に駆けつけたのだが、もうあとの祭りであった。 これを読んで、これからラ・パスに行かれるという方。興味があったらぜひこの忍者学校を訪れ、どういう事が行なわれているかチェックしていただきたい。またとない面白い体験になること疑いなし。ついでに忍術を習って人生を変えるような体験をされたら、その忍者的精神を大いに逆輸入して伝えていただけることを願っている。 (旅行時期 2004年6月) 参考文献:「The Llama express」No.16 2004年5月版 |
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