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その答え。
それは「先王の殺害者の罪によるものだから、そいつを探し出して追放するべし」 というもの。
まさか犯人が自分だとは思わないオイディップスは、先王殺害の犯人を国を挙げて捜査する。
テバイの預言者テレイシアースがやってきて、渋る預言者がようやく重い口を開く。
「先の王ライオスを殺した犯人は他ならぬあなたです、オイディップス王」
重い空気が流れる中、コリントスから使者がやってくる。
父であるコリントス王が亡くなったので、戻ってきてください、と使者は言う。
オイディップスは戻りたいけど、戻れない。
かくかくしかじかと、使者とオイディップスの会話が交わされる。
「アポロンの神託で、私は父を殺し母を犯すと、言われました。父を殺さずに済んで良かったけれども、母を犯したくありません」
と、オイディップスは言った。
それを横で聞いていた、妻イオカステの顔色がサッと青ざめる。
「それは早計でした。実は王子、あなたは捨て子だったのです。コリントスの山の中で足にピンを突かれて捨てられていたのを、当時牛飼いをしていた私が拾いまして、国王夫婦に届けました」
元牛飼いの使者、国王にささげた男の赤ちゃんが気に入られて、牛飼いから国王の側近に出世していた。
「だから、王妃を襲うなんてあり得ません」
と使者は言う。
元牛飼いは何も悪いことを言っているとは、思わなかったのだろう。
しかし、「足にピンを刺された子供」と言うフレーズが、イオカステの脳裏を巡る。
「と言うことは、オイディップス……。そなたは、私の子」
「ええ!」
とっくに予言は実現していたのだ。
その後、イオカステは首をつって自殺し、オイディップスは妻であり母でもあったイオカステのブローチのピンで今度は自らの目を刺して、長女アンティゴネだけを従えて国を出た。
前国王殺害者は国外追放と自分が出した触れに、自分が従う形となってしまった。
盲目となったオイディップスは代わりに、他の五感が敏感になった。
オイディップスは国王である自分が去った後、残された双子の王子の権力争いを予言したが、この王子たち、妹のアンティゴネほどには親思いではなかった様子。
殺人者である父をさっさと国から追い出し、クレオンを摂政とし一年交代でテバイを治めたが、後に王位に着いたエテオクレスがポリュネイケスを追放してしまった。
この時、ポリュネイケスは「ハルモニアの首飾り」を携えてアルゴスに逃げたという。
この「ハルモニアの首飾り」は後に賄賂に大変役に立った。
ポリュネイケスはアルゴスの王女と結婚し、アルゴスの兵士を従えて故郷テバイに攻め込んだ。
その中の一人、アンピラオスは入隊することを拒んだので、彼の妻に「ハルモニアの首飾り」を差し上げて、妻の勧めでアンピラオスは入隊した。
この兄弟喧嘩にも似た戦争で、アルゴスの兵士6人が死に、エテオクレスとポリュネイケスも相打ちで死んでしまった。
ちょうどこの時、帰国したのが長女アンティゴネ。
父オイディップスとともに、アテナイの王テセウスに保護されていたのだが、オイディップスが亡くなったので戻ってきたのだ。
戻ってきたところ、兄二人も死亡していたので、驚いていいのやら悲しんでいいのやら。
テバイは再びクレオンが治めたが、このクレオンの出した布告がひどい。
テバイの死者は葬儀を出すが、敵方は弔ってはいけない、という事だ。
二人の兄のうちポリュネイケスはアルゴス側として戦死したので、葬儀もせず死んだその場所にそのままにされた。
腐敗の進む兄の遺体を見ながら、アンティゴネは悲しんだ。
我慢し切れなかったのだろう。
アンティゴネは兄の遺体に土をかけたが、それがクレオンに見つかってしまった。
クレオンは法に背いたアンティゴネを逮捕し、牢に入れた。
「兄弟と言えども、敵は埋葬してはならない」という人が定めた法と、「兄弟は何があろうとも手厚く葬る」という神が定めた自然界の常識の葛藤は、文学や美術ではなく法学でよく引き合いにされるらしい。
牢に入れられたアンティゴネを開放して欲しいと願い出たのが、アンティゴネの婚約者だったハイモン。
彼はクレオンの息子だ。
ハイモンがアンティゴネが閉じ込められた牢に行くと、既に生きていることに飽きた彼女は母イオカステがそうしたように首をつって自殺していた。それを見たハイモンも自殺してしまった。
ハイモンに死なれた母エウリディケも悲しんで自殺してしまった。
その後、王位は残ったもの、甥と姪、息子と妻に先立たれてしまったクレオンは、なおもアルゴスの6人の兵士たちを埋葬しないままほったらかしにしていた。
その兵士の遺体を返して欲しいと、言ってきたのがアルゴスの王。
それを断ると今度はテセウス率いるアテナイの侵攻が始まった。
このテセウス、ギリシャ神話を代表する英雄の一人である。
癖のあるキャラクターゆえ彼の人物評については賛否両論あるが、とにかくめっぽう強いことだけは先に明記しておく。
さすがにテセウスの軍隊には歯が立たず、クレオンはアルゴス兵の遺体を渡した。
テセウスは国を追われたオイディップスを匿った人なだけに、それなりに情も深かったのだろう。
テセウスがアルゴス兵の屍を荼毘に付し、これにて復讐劇は終了する。
とりあえず……。
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