 |
ゼウスの物語番外編
カドモスの国創り
|
 |
ブーシェ「エウロペの略奪」
フェニキアではエウロペが行方不明になったので、王は3人の息子たちに探索の旅に出るように命令した。
王はエウロペを見つけてくるまで帰ってくるな、と命令した。
実はゼウスがクレタ島に攫って行ったのはここ
にある通り。
しかしそんな事はエウロペの身内には分からない。
エウロペの兄カドモスは家来と母を連れて北の土地トラキアに捜索に出た。
トラキア沖のタソスという島は、カドモスに同行した弟タソスが止まったのでこの名がついた。
カドモスは本土に一年以上止まった。
この地で同じく同行していた母のテレパッサが亡くなったからだ。
探せど探せど、妹エウロペは見つからない(そりゃ、そうです)。
母が亡くなってからもカドモスの妹探しの旅は終わらない。
カドモスは帰ることも許されないわが身を嘆いて、今後自分はどうしたら良いのか、アポロン神に祈った。
アポロンの答え。
それは、これから出会う牛の後をついて行き、その牛が止まった所に国を作りなさい、というもの。
その後、本当に牛の後についていき、カドモス一行はその場所に国を作った(後のテバイ)。
アポロンに感謝するカドモスとその家来たちは、献酒を汲むのに必要な清水を探しに洞窟の方に行った。
|
|
モーガン「カドモスとハルモニア」
ところがところが、ようやく探し当てた洞窟には恐ろしく大きな蛇がいて、家来たちをあっという間に食べてしまった。それを知ったカドモスは家来の敵討ち! と苦戦しながらも大蛇を退治した。
しかし、家来は皆死んでしまって、今や彼は天涯孤独の身。
今度、カドモスの耳に囁いたのは知恵と戦いの女神アテナ。
「大蛇の歯を地面に埋めよ」
とアテナ。
そのとおりに蛇の歯を撒くと、そこから武装した兵士が芽生え、カドモスを尻目に戦い始め勝ち残った5人がカドモスに忠誠を誓った。
この兵士たちがスパルトイと呼ばれ、後にテバイの重要な市民となった。
カドモスはこの優れた兵士たちと国を作ったが、彼が倒したあの大蛇は軍神アレスの蛇だったので、この後カドモスには不幸が付き纏う事になる。
蛇を殺した罪を8年間、アレスに仕える事で償い、そしてアレスと美の女神アフロディテ
の娘調和の女神ハルモニアを妻に迎えた。
女神を妻に迎え、その結婚は全ての神々が祝うと言う、人間の男としてはこの上ない名誉だったが、この夫婦、大変仲が良いのに不幸だった。
何故なら、二人の間に出来た子供や孫は殆ど不幸な死に方をした。
ゼウスに愛されたセメレは焼死。
ディオニッソスを匿った事で、ヘラに呪われたイノはセメレとは姉妹。
ディオニッソスが布教する新興宗教を迫害した事で、酔った母親に殺されたペンテウス(その物語はここ)はカドモスの孫。
アルテミス女神の水浴を覗いた事で、鹿に変身させられたアクタイオンも孫。
相次ぐ子孫たちの無残な死に様に、カドモスとハルモニアは嘆き悲しんだ。
人間として生きていくのにも厭きた二人は神に祈った。
二人は神に祈り、蛇に変身した(右の絵ではカドモスが先に蛇に変身して、ハルモニアに絡まっている)。
人の世を離れ、自然の中に暮らす二人は、時折ふと人の世を懐かしがった。
山道を行く人間の前に現れたりして、通行人を吃驚させたが、害をなすことは無かった。
その後、蛇としての寿命を全うした二人は、冥界に下った。
そこでは神々に愛されたものだけが住むと言うエリュシオンの野に住む数少ない住人となった。
カドモスの妹エウロペの行方が気になる人は、ここに行く。
カドモスの娘セメレがどうなったのか知りたい方は、ここを見る。
カドモスの孫アクタイオンのその後はここをみる。
|
|