ヘラの物語
モロー『ジュノーに懇願する孔雀』
ヘラはクロノスとレアの三女。
ゼウスにとっては姉であり、妻でもある「結婚と家庭生活の女神」。ヘラと言えば、何と言ってもその嫉妬深さで有名。 ヘラの物語の殆どがゼウスの浮気相手や私生児へのイジメで占められている。 こう書くと結婚に疲れたおばさんを想像していしてしまう。額に四角いこう薬でも貼っていそうなイメージであるが、実際の彼女は神々の王たるゼウスが数多いる女神や人間の女性の中からたった一人だけ選んだ永遠の美女なのだ。 ゼウスがヘラを口説くとき、郭公に化けていた。そのままの姿では受け入れてくれないのは分かっていたからだろうか。 そうとは知らないヘラは、寒さに身を震わし地面を這いずる郭公を胸に抱き上げ温めようとした。 ゼウスの思う壺だ。 ここでゼウスは変身を解いて、ヘラをものにした。
Barry James『イダ山のジュピターとジュノー』(部分)
二人は永遠の愛を大地母神ガイアに誓い、ガイアは祝いに黄金のリンゴの木を与えた。 実はこれが結婚式の起源。 古代ギリシャ、男尊女卑が激しかった。そして男女の愛は非常に不確かだった。 結婚を制度化することによって、女の生活は守られた。 しかし、結婚してもゼウスの浮気癖は治らなかった。 二人の間には、鍛冶の神ヘパイストス、戦の神アレス、出産の女神エイレイテュイア、青春の女神ヘベが生まれたが、ゼウスはあちこちでヘラ以外の女神やニンフと浮名を流した。 ヘラの英語名はジュノー。6月(June)の語源となっている。 皮肉にも6月の花嫁は幸せだと言われるのは、ヘラに由来する。
続く