エロスの物語C
愛と魂が結ばれるとき
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Edward
Mathew Hale『Psyche at the Throne of Venus』 エロスと別れたプシュケはいつのまにか姉たちがいる草原にいた。 そこで彼女は姉たちに会うと、宮殿内で夫を疑って起こってしまった出来事を話した。 姉たちは、プシュケに同情を寄せている風だったが、内心では喜んで今度は自分たちがエロスの宮殿に行って楽しい生活をしようと、山頂に向かってそこから飛び降りた。 しかし、以前のようにゼピュロスが現れなかったので姉たちはそのまま地面に叩きつけられて死んでしまった。 プシュケはエロスの居所を探し幾日も幾日も歩き回った。 その間にさまざまな神々の姿を見かけた(その時の場面がこれかな)。 神々は内心ではプシュケに同情していたかも知れないが、アフロディテが今回のことで立腹しているのを知っているので誰も救ってはくれない。 ただその中でデメテルだけはプシュケに助言した。 プシュケのためにエロスは肩と心に重い傷を負ったので、母アフロディテの宮殿で手当てを受けている。 とにかくアフロディテの宮殿に行って、詫びを入れなさい、と。 はたして、プシュケがそのとおりにアフロディテの宮殿に赴くと、デメテルの言うとおりアフロディテはたいそう怒っていて、プシュケに難問をだした。 それは大麦、小麦、黍を仕分けする作業だった。 これらの穀類は女神のお供につれている白鳥や鳩の餌に使われている。 とにかく大変な分量で、とても一人でできるわけでもなく、それなのに女神は当日の日暮れまでというノルマを課した。 プシュケが途方にくれていると、本心ではまだプシュケに未練があるらしいエロスがそれを察知して、彼は蟻に命じて穀類の分別をさせた。 何千匹もの蟻が日暮れまでにその仕事を片付けると、アフロディテは固くなったパンの欠片をプシュケに投げ、明日はもっと仕事をさせると告げる。 その仕事というのは、川の向こうにいる羊たちの黄金の毛をとってくるというものだった。 簡単な仕事に思われたが、川を渡ろうとするプシュケを、川の神が止めた。 日中の羊たちは恐ろしく気がたっているので、行くのなら日が暮れて羊が眠ってから、抜け毛だけを集めるように、川の神は勧めた。 この仕事も難なく成し遂げたプシュケに、アフロディテは更に立腹して3度目の難問をだした。 それは高い山に登って物忘れの水を瓶いっぱいに汲んでくることだった。 登ることの困難な高い山にその泉はあって、泉の両側には恐ろしい竜が住んでいる洞窟があった。 この仕事を手伝ってくれたのはゼウスが飼っている鷲だった。この鷲はエロスが常日頃可愛がっていたらしい。 鷲はプシュケから瓶を奪うと、さっさと水を汲んできた。 |
| スペンサー『プシュケとカロン』 それでも怒りを静めないアフロディテは最後にとんでもない難問を出した。 それは冥界に住むペルセポネから彼女の美しさを分けてもらうというもの。 そのための箱を渡されはしたものの、冥界に行くには一度死なないといけないと考えたプシュケは高い塔に登って身を投げようとした。 それを制したのは塔だった(……?)。 塔は洞穴から冥界に行く道を教えてくれた。 ここから行く分には、ケルベロスやカロンも心配ないらしい。 しかしペルセポネから箱に美しさを入れてもらっても、それを覗いてみるのは禁止された。 無事に冥界についてペルセポネから美しさを頂戴したプシュケは、命を捨てずに済んで嬉しかっただろうに、 さきほどあれほど注意された「箱の中を除いてはいけない」という注意を忘れてしまっていた。 今まで散々苦労していたので、 エロスに会うまでに少しは綺麗になりたいとでも思ったのだろうか。 とうとう我慢しきれずに 開けてしまった。 |
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ブーグロー『The
First Kiss』 プシュケが箱を開けると、そこに美しさは入っていなかった。 代わりに、「眠り」が入っていて、それがプシュケに襲い掛かった。 プシュケは激しい睡魔に襲われ、もはや眠り続ける屍と化した。 ちょうどその時、傷の癒えたエロスがプシュケを探しに来て、プシュケにとり付いている「眠り」を箱の中に戻すと、 アフロディテから言いつけられた仕事を片付けるように言った。 それからエロスはゼウスの下に向かい、母アフロディテの気持ちを和らげるよう頼んだ。 ゼウスはエロスの願いを叶えただけではなく、この時プシュケにネクタルを与え、神々の列に加えた。 プシュケの背中からは蝶のような綺麗な翼が生え、そして後に二人の間には「喜び」という名の女の子が生まれた。 ギリシャ神話上のエロス(性愛)は主に肉体の愛を意味しているらしいので、そこにプシュケ(精神)と結ばれて、「喜び」が生まれるのである。 |
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