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             (2004年)

 日頃の取材結果をメインページの石川の植物に反映するのは大変なことです。実際の取材から何年もかからなければ FILE 化されない材料、取材はしたけれど永久に FILE の対象とならない材料もたくさんあります。また一つの FILE をとにかくアップするだけでも何日もの作業を要します。
 そういう作業のエアーポケットを埋めるべく、日々の記録をしてみることにいたしました。撮影の裏話などもでてくるかと思います。特別な種類(デンジソウ、ミズアオイ等)の成長過程を定点観察することも考えています。毎日記録することは不可能ですが、できるだけ頑張ってみます。時々お訪ね下さい。


2004年版(2004年6月26日〜12月23日)
2005年版(2005年1月8日〜3月3月19日)
ブログ版 (2005年3月23日以降)

 
2004年12月23日(木)  ホトケノザ
 昨日12月22日は、金沢でも初雪が観測されました。平年より25日遅く、1916年に並ぶ観測史上最も遅い初雪だそうです。今日もとても寒い1日でした。用事があって、外出したついでに、いつもナズナを見ることのできる農道へ足を伸ばしました。ナズナはたくさん咲いていました。数年前までは、数株しかなかったホトケノザがかなり増えていて春が待ち遠しい気持ちになりました。中には、花を付けているものもありました。閉鎖花の取材が十分できていませんので、未だFILE化することができないでいます。
2004年12月14日(火)  ウバユリ
 今日は移動性の高気圧がおおって、気持ちの良い一日でした。
ウバユリの様子を見に行ってきました。すべて種子を飛ばした空の果実だけが立っていました。刮ハの裂けたところは、まるで檻の鉄格子のように両側から繊維が出て囲われているので、種子がこぼれるのは非常に困難です。頑丈な花茎とあいまって、強い風が吹いたときだけしか種子をこぼさず、その強い風に種子を乗せて遠くへ運ばせたいとの作戦と見受けました。
 しかし、現実にはそう都合良く遠くへは飛ばされないことも多く、身の回りで大群落を作っています。
 ウバユリについての詳しいことは、(ここ)をご覧下さい。
2004年12月3日(金)  ヒヨドリジョウゴ
 この美しい果実は、有毒であるといわれております。友人が試しに食べたところ、ひどい下痢に苦しめられたと、直接聞きました。ヒヨドリが好んで食べるという説がありますが、毒は平気なんだろうかと疑問でした。
 ある冬の朝、自宅の軒下で雪の積もっていないところにヒヨドリが群がっていました。私が近づくと一斉に逃げ去りましたが、その場所では、前日まであったヒヨドリジョウゴの果実が一つも無くなっていました。直接食べているところは目撃していませんが、状況証拠から、ヒヨドリが食べたに違いないと考えています。
2004年11月29日(月)  ヒロハフウリンホオズキ
 2年前に河北潟干拓地のダイズ畑の雑草として生えていたものを採集して育てています。種子の発芽が遅く、今年はだめなのかと思うような頃にやっと芽が出てきます。その替わりと言っては何ですが、11月も終わろうといういまでも未だ花が咲いています。
 さすがに元気はありませんが、おかげで、花・若い果実・熟した果実といろんな段階を同時に見ることができます。なお、普通のホオズキとは異なり、萼は褐色で、果実は緑色のまま熟します。
 ヒロハフウリンホオズキについての詳しいことは(ここ)でご覧下さい。
2004年11月23日(火)  越前海岸のスイセン
 越前海岸はスイセンの名産地です。スイセンと言えば1月の花かと思っていたのですが、越前海岸ではすでに咲き誇っていました。途中「水仙快道」なる看板が立っていたりして、スイセンに力を入れている様子がありありでした。
 途中の道路脇では、切り花をバケツに入れて売っている老人の姿も見かけましたが、自動車族では、その横までこないと何をしているのか分かりませんので、分かったときには通過してしまうという具合で、ほとんど商売になっているとは思えませんでした。
 スイセンについての詳しいことは(ここ)をご覧下さい。
2004年11月21日(日)  デンジソウの胞子嚢果
 デンジソウはシダですから、胞子を作ります。胞子は胞子嚢の中にあり、多くの胞子嚢が集まって、硬い殻(から)の中で保護されています。それを胞子嚢果といいます。なかなか見られないものらしいのですが、このたび見ることができました。長さ約4mmの豆粒みたいなものです。
 詳しいレポートはただいま作成中で、近日公開予定ですが、とりあえず、胞子嚢果をご覧下さい。
 昨年発表したデンジソウのFILEは(こちら)です。併せてご覧下さい。
2004年11月9日(火)  マメガキを食べるハシブトガラス
 10月17日の日誌で報告した金沢城公園のマメガキですが、十分熟し葉もすっかり落ちていました。ハシブトガラスがやってきました。きっと食べると期待して見ていますと、近くにたくさん実の付いている枝があるのに、わざわざ離れたところの一つしか実の付いていない枝へ行ってしまうのです。どうも警戒しているようです。カメラを覗いていると、ついに食べました。50mmのマクロレンズなので、十分引き寄せられなかったのですが、証拠写真が撮れました。
2004年11月4日(木)  野々市(ヤブツバキ)
 石川の植物は、原則として野生植物しか扱わないのですが、例外的にこのヤブツバキ「野々市」が登場します。私の住まいする野々市町に藩政時代から伝わるヤブツバキの1品種です。白い花なんですが、淡いトキ色が、特に花弁の外側に見られます。実に上品な花です。
2004年11月2日(火)  アナマスミレ
 春の花のアナマスミレですが、海岸砂丘にたくさん咲いていました。
季節はずれなので、写欲が沸かなかったのですが、あまりたくさん咲いているので撮ってきました。
 葉は厚ぼったく、巻き気味です。
2004年10月30(土)  ヒガンバナの果実
 種子ができないとされているヒガンバナの果実(複数)を見つけました。つぶしてみたところ、中から黒くて大きな種子を得ることができました。「ヒガンバナの博物誌(栗田子郎.研成社)」によりますと、0.026%の割で種子を得たが、発芽したものはなかったとのことです。
 どうなるか、育ててみたいと思います。
2004年10月29(金)  シャクチリソバ(5)
 1ヶ月ぶりのシャクチリソバです。今頃はふんわりとしたドーム型の大株を報告できるはずでしたが、先日の台風23号に伴う雨による増水で、見事に押しつぶされてしまったので、取材をしていませんでした。今日は、久しぶりに川原へ下りてみました。株は未だつぶれていましたが、満開状態でした。
2004年10月24(日)  熊棚
 今年は、熊出没のニュースをよく聞きます。石川県も例外ではありません。石川県では、ツキノワグマの生息数を約700頭と想定し、その1割である70頭を毎年の狩猟数の限界と定めています。今年はすでに殺された熊の数が、狩猟数を突破してしまいました。それでも毎日捕獲数が増加しています。捕獲した熊を奥山に放獣しようとしても、地元の人々の猛反対に遭い、処置に困っているようです。
 地元の人の心配はもっともです。今日、金沢近郊の夕日寺健民自然園というところへ行きましたが、ここも熊が出没するということで、いくつかの自然観察会が中止となっていました。
 私たち6名は、自己責任ということで、山を歩いてきましたが、本当のところ、熊に出会わないよう祈る気持ちでした。
 何しろ、この自然園管理事務所の裏の柿の木に、新鮮な熊の爪痕と、熊棚と糞までありましたから。この熊棚の画像で
注目して頂きたいのは、一部の太い枝を折り曲げて、棚の補強に使っている点です。柿の木の枝というのは折れやすいものなので、よく熊が登ることができるものだと疑問に思っていたのですが、その対策の一つだと考えられます。熊もなかなか考えています。
(柿を取ろうとして枝をたぐり寄せたら折れてしまったという、単なる偶然かも知れません。一方、そういう経験を積んで、賢くなるということもあるかも知れませんね。)
2004年10月23(土)  キチジョウソウ(吉祥草)
 毎年この時期にはキチジョウソウが咲くのですが、葉の陰に隠れているので、気づかないことが多く、気の付いたときには花がほとんど終わっていたということがよくありました。
 庭の北側では、今がちょうど最盛期でしたが、西側では未だ一つも開花していませんでした。狭い庭でもわずかな気候の違いがあるようです。
 されば、長期間にわたって花を楽しめるというわけです。

キチジョウソウについては、FILEを作ってありますので(ここをクリック)、ご覧下さい。
2004年10月19(火)  松枯れ
  加賀海岸は日本有数のクロマツの美林で知られているところです。しかし、ここでも松枯れは進行していて、昔の面影がほとんどない場所もあります。枯れた松は伐採され、薬剤処理をされた後は野積みの状態です。
 野積みの松が腐っていけば、栄養分となり、土地が肥えて、クロマツの生育に適さない土地となってしまいます。いずれタブノキなどの林に変わってしまうことでしょう。
 松林として維持したいのなら、枯れ木・枯れ枝を外へ持ち出さなければならないのですが、なかなかそこまではできないようです。
 ここにはちょうど、若木ですが、松枯れ3兄弟が写っています。ほぼ健全な木、松枯れの進みつつある木、すっかり枯れた木です。
2004年10月17(日)  マメガキ
 金沢城公園には、雄株と雌株の2本のマメガキの木があります。画像のようにとても小さな果実ができます。中国原産で、柿渋採取用に栽培されたものですが、食用にもなります。この時期でも甘いのですが、少し渋みが残ります。もっと黒熟すると文句なく甘いです。木の上で自然に乾いて黒い干柿状になったものを山間部では、お茶うけとして食べると聞きました。種子が良くできるので、近くには苗木が沢山ありますが、刈り込まれてしまうため、花が咲くほどの木は2本しかありません。
2004年10月15(金)  初冠雪の白山
 加賀の白山(2702m)では、昨日の午後4時頃から雪が降り始め、とうとう本日、初冠雪が観測されました。平年より1日早く、昨年より2日早いとのことです。
 昨日の豪雨とはうってかわった晴天でしたので、白山スーパー林道へ外来種調査に行ったついでに、三方岩岳へ登ってきました。見事な青空の下に、初冠雪の白山が輝いて見えました。
2004年10月11(月)  クロヤツシロラン
 昨年は何度も観察のできたクロヤツシロランですが、今年は忙しくて十分観ることができませんでした。
 9月14日では、咲き始めでした。いくつかの花を観ることができましたが、果実は一つもありませんでした。今日、10月11日では、花は全く観ることができず、果実ばかりでした。果実の方も、画像のように裂けて種子を散らせていました。
 クロヤツシロランの詳しいことは、(ここ)をご覧下さい。
2004年10月1(金)  白山スーパー林道
 台風一過、雲一つ無い秋晴れの日でした。1年を通しても、こんなに気持ちの良い日はそう無いと思います。白山スーパー林道へ外来植物の調査に行ってきました。
 外来植物ではありませんが、岩場ではちょうど「イワギク」の花盛りでした。イワギクの株の間に「ツメレンゲ」も咲いていました。左上隅にぼんやり写っているのは「アサギリソウ」です。険しい岩盤上で、これ以上は近づけませんでした。
2004年9月28(火)  シャクチリソバ(4)
 9月8日に刈り取られた状況を報告し、15日に群落の回復している様子を報告しましたが、今日はその第3弾です。
 9月15日に比べて一段と茂ってきました。早いものではもう開花も見られました。
 9月15日の画像と比べてみて下さいね。
 ちなみに、左から2番目の白い建物が私の勤務先「石川県自然史資料整備室」です。
2004年9月26(日)  サデクサ(2)
図1 工事を待って貰っていたサデクサ生育地
図2 新しい場所へのサデクサ移植作業
図3 サデクサの花

 9月5日の取材日誌でサデクサの危機を取り上げました。サデクサ生育地の工事は一番最後まで遅らせてもらいましたが、いよいよ限界となりましたので、今日は、もう一人のTさんと3人で、サデクサの引っ越しです。
 地表をはい回っている刺だらけのサデクサの根元を確かめつつ、丁寧に十数株のサデクサを掘り起こしました。そして、近所の安全そうな場所へ移住して頂きました。サデクサは1年草なので、種子を取るためです。種子が取れれば、この新天地で、自己増殖してほしいと願っています。
2004年9月24(金)  ミズアオイ(2)
 絶滅危惧植物のミズアオイですが、河北潟の周辺には、今もかなり残存しているらしく、次々と見つかっています。今日の報告も知り合いの方からの情報です。ちょうど満開を迎えていました。かなり青色の濃いミズアオイでした。清々しい気持ちにさせられます。ただし、近所の人にとっては迷惑な部分もあると思います。ドブの流れが悪くなりますから。
2004年9月23(木)  シャクチリソバ(3)
 新FILEを作るのに夢中になっていて、取材日誌を書くのを忘れていました。再開です。
今日、庭のシャクチリソバが開花しました。直径2m以上もある大株の、あちこちで沢山咲いています。だいぶ頑張って写しましたが、FILE77(ここ)で発表した以上のできには写りませんでした。この3年間、技術的に全く進歩がなかったということになります。あの時の写真ができすぎだったのです。
2004年9月18(土)  コウホネ(2)
 8月10日に、七尾市池崎町のコウホネ群落を紹介しました。この時出会った地元町内会の総務委員長Mさんが、「町会だより」に我々の訪問を記事として取り上げて下さいました。その記事を読んだ人から、「いま、コウホネが花盛りであるから教えてあげてほしい」との要望があって、ご案内を頂き再度観察に行って参りました。
 抽出葉の刈り払われた水路には、たくさんのコウホネが咲いていました。残念ながら、ご案内を頂いてから日数が経っていたので、最盛期を過ぎていましたが、水路内で多数の開花を見ることができました。通常、抽出葉に隠れるように咲くことの多いコウホネですが、水路上にニョキニョキと花茎を出していました。
 沈水葉、水面葉、抽出葉、蕾(つぼみ)、花、果実(未熟)といろんな様子を見ることができました。
 取材中、地元の方4人(内お一人はMさん)に声をかけられて、いろいろなお話を聞くことができました。
 まず、コウホネの蕾を地元では「げんこつ(拳骨:にぎりこぶしのこと)」と言うそうです。蕾が拳骨のように固いからなんだそうです。そういえば形も多少似ているような(
図中の円内は蕾)。日本植物方言集成(八坂書房)にも載っていない新発掘の方言でした。
 また、この川の上流には昔はトゲウオも住んでいたということでした。その場所は今では埋め立てられてしまっています。
 こういう地元の方々との触れ合いも興味深いものです。中には、家へ寄ってお昼でも食べていかないかとのお誘いまであり、全く驚きました。いい人たちとの出会いが楽しかったです。
2004年9月17(金)  クズ
 クズはほとんどどこにでも生える強い蔓草で、秋の七草の一つとしても有名です。この葉の運動として面白いことがあります。暑い日中によく小葉が折りたたまれていることがありますが、このときは、小葉の裏が外になるようにたたまれています。夜になると睡眠運動で、やはり小葉がたたまれるのですが、その時は、表が外になるようにたたまれています。
 物の本には、葉の裏面が白くて目立つところから「裏見草(うらみぐさ)」とも呼ばれるとありますが、葉の裏が白い植物は沢山あります。なぜクズが、ことさらそう呼ばれたのでしょうか。日中に小葉が折りたたまれて、裏の白いところがよく見えたからなのでしょう。
 どういう仕組みで、たたみ方を使い分けているのか分かりませんが、観察してみると面白いです。ただし、夜の様子を撮影するのは大変でした。暗闇の中で、カメラを持ち、ストロボを発光させていると、変なおじさんがいると、怪しまれそうでいやでした。最大の難点は、暗くてピントを合わせるのが難しかったことです。
 図の左側が「昼の顔」、右側が「夜の顔」です。
2004年9月15(水)  シャクチリソバ(2)
 9月8日の取材日誌で、シャクチリソバがすっかり刈り払われたところをお見せしましたが、わずか1週間で、見事な回復ぶりです。これからが楽しみです。緑の塊はすべてシャクチリソバです。
2004年9月13(月)  ウリカワ
 オモダカ科の小草で、自宅の横のドブに数年前から生えています。毎年、夏になると急に葉が伸びてきて、今頃から開花しています。今年の初開花は、9月13日でした。雌雄別花で、これは雄花です。
雄花が先に開きました。花はオモダカとよく似ています。
2004年9月11(土)  ハマベノギク
 新聞社の主催する文化教室の講師を頼まれて、「加賀海岸植物ウォッチング」をしてきました。砂浜ではちょうど、ハマベノギクが花盛りでした。直径4cmもある大型の花で、舌状花の色には濃いものや薄いもの等色々ありました。アップで見ると、どの花でも赤いダニがうようよはい回っていました。
2004年9月10(金)  クロモ
 勤務先で栽培しているクロモ。4年前に近所の住宅地の溝に生えていたものを持って来て栽培しているもので「クロモ」と公言していたのですが、じつは、クロモかオオカナダモか自信がなかったものです。昨日花が咲いているのに気づき今日撮影しました。水面に浮かぶゴミのようでなかなか気づきませんでした。もっと早くから咲いていたのかも知れません。
 コカナダモやオオカナダモは雄しべが9本で、クロモは3本なので、これからは自信をもって「クロモ」といえます。リングストロボで撮影し、PLフィルターがなかったので、かなり反射があって見苦しいですが、お許し下さい。
 雄花は植物体から離れ、水面に浮かんで開きます。萼片・花弁は透明で分かりにくい構造ですが、反り返るので、花が水面に立ち上がっているのがお分かり頂けるでしょうか。葯は薄紫を帯びていますが、ほとんど無色のものもあります。それぞれの葯は2個の葯室からなり、横でパックリと開いています。水面に見られる丸い粒は花粉です。
2004年9月9(木)  ミズアオイ
 ポットで栽培しているミズアオイが今日開花しました。背丈30cmくらいの栄養状態の悪い株ですが、鮮やかな青い花を2つ付けました。青い葯をもつ雄しべの突起と柱頭にピントがくるような位置を探してクローズアップしました。これだけアップにすると虫眼鏡効果が出て、花柱に付いた花粉が分かるようになります。
2004年9月8(水)  シャクチリソバ
 シャクチリソバの群落地。伏見川の川原です。大きく育っていたのですが、気が付いたらきれいに刈られてしまっていました。多分先週末のことだと思います。ちょうど良い機会なので、これから、群落の復活する様子を、時々報告いたします。シャクチリソバについてはここをご覧下さい。
2004年9月5(日)  サデクサ
 サデクサ移植地。遠くの支柱の立っている緑の部分。近くの場所は、種子をまくために整地してある。この場所全体が失われる。

 左の「ほこ形」の葉と右の「手のひら状に切れ込む托葉」を見れば、サデクサであることが一目瞭然。

 朝からひどい雨でしたが、友人の T さんに誘われていたので、サデクサを見に行ってきました。サデクサは地方によっては雑草然と大量に生育しているらしいのですが、石川県ではこれまで記録がありません。唯一の自生地で、T さんが発見されたものです。昨年、堤防工事で自生地が失われ、それまでの自生地には客土がなされました。
 絶滅を心配された T さんが、種子を採取し、苗を今年の4月に、近くの似た環境の場所、数箇所に移植されたものです。ある場所は水没し、ある場所はミゾソバ等との競争に負け、現在1箇所だけで生育しています。T さんは、毎週その地へ通い、サデクサにとっての雑草であるミゾソバやイシミカワ、セイタカアワダチソウ等と格闘し、どうやら開花するところまでこぎつけました。
 ところが、この場所も堤防工事で失われることがわかりました。明日から工事が始まります。T さんが工事事務所と掛け合った結果、一定の配慮がなされる可能性が出て、明日、現場で立会いのもと工事が始まるということでした。配慮といっても、場所からして、ルート変更は難しそうなので、その場所の工事を遅らせるという程度のことかも知れませんが、それでも種子を採取できるところまでいけば、もう一度自生地復活の望みはあります。T さんのご努力に感謝し、期待いたします。

 オリンパスE-1は、防滴構造なので、今日のようなひどい雨でも基本的にはまったく問題がありません。平気で撮影できました。ただし、今日は T さんが傘をさしかけて下さっていました。
2004年9月3(金)  ツルボ
 今日は白山スーパー林道の帰りに手取川へ寄ってきました。河川敷の草刈りされた後にツルボが群れ咲いていました。ここのツルボは自宅のものより色が濃かったです。外花被が1枚開いて、雄しべが1本出てきています。
 リングストロボを使って咲き始めを撮影してきました。
2004年8月29(日)  ツルボ
 我が家のツルボが咲き出しました。ツルボが見られる場所では大群生することが多いですね。花の淡い紫色がなかなかうまく出せません。
2004年8月28(土)  イトトンボ?
 デンジソウの池の畔のカンガレイの藪はイトトンボの集団結婚式場でした。何百匹ものイトトンボが群れていて壮観でした。8月27日の取材です。
2004年8月27(金)  デンジソウ
 去年デンジソウを見つけた池へ行ってみました。ほとんど干上がってしまい、すべてのデンジソウが空中葉を出していました。風が強くて揺れが激しく多少ぶれていますがご勘弁下さい。
2004年8月26(木)  ウンラン
 勤務先の企画展示の取材で加賀海岸へ行ってきました。ちょうどウンランが花盛りでした。分厚く少し煙ったような緑白色の葉に大きな黄白色の花。現物では輝くような美しさの花ですが、写真に撮るといつもボンヤリとした写り方になってしまい、いつもがっかりしています。特殊な波長の反射でもあるのでしょうか。
2004年8月22(日)  オオフタバムグラ
 今日の取材では荷物が多かったので、いつものE−1ではなく COOLPIX を持って出ました。
ピントの合うのが遅いのと、画像の見にくいのに閉口しました。何よりも眠たい色合いにはがっかりでした。
 本日の収穫は、帰化植物の「オオフタバムグラ」でした。砂浜で小さな花が点々と咲いていました。肉眼ではどの花にも赤い小さなゴミのようなものが写ってじゃまだなと思っていましたが、それが雌しべの柱頭でした。
 石川県でも記録はありますが、あまり多くはないようです。
2004年8月19(木)  ナラ枯れ(石川県石川郡鳥越村の山林)
 平成9年以降、石川県内のミズナラの集団枯損被害が目立つようになってきました。
カシノナガキクイムシが多量の病原菌(ナラ菌)をミズナラの樹木内に広げることで枯死が発生します。
 カシノナガキクイムシは主に6月下旬〜8月に発生し、集中的かつ集団的に健全なミズナラに侵入します。このとき体に付着したナラ菌を樹木内に持ち込みます。ナラ菌が樹木内で広がると、樹木が水切れ症状を起こして、まもなく葉が変色して枯死します。枯死する時期は、7月下旬〜8月中旬までが多いようです。
 この被害でも、林内のミズナラ全体が枯死することはなく、約半数は生き残ります。それはカシノナガキクイムシの侵入数が少なかったミズナラは、持ち込まれたナラ菌の量が致死量に達しないため、枯死せずに、内部に抵抗性物質を生成して、翌年以降のカシノナガキクイムシの侵入をさまたげる働きを持つためと考えられています。このため、カシノナガキクイムシの侵入1年目で枯死しなかった立木は翌年以降枯死することは少なく、抵抗性を持つ生存木の増加と共に被害は終息するものと考えられています。
 資料:江崎功二郎.2004.白山麓のナラ枯れと森林の変化.石川県白山自然保護センター普及誌 はくさん 31−3:p6〜9.石川県白山自然保護センター.
2004年8月17(火)  カラスウリ
 昨日・今日と、初めてカラスウリの花の撮影機会をもてました。午後7時過ぎ頃には雨が降っていたので、撮影を見合わせていたのですが、8時過ぎに雨が止んだので、庭に出てみました。すでに満開状態で、花冠裂片の先がレースのように細く裂け、華やかでした。
 これは雄花ですが、クローズアップの画像を拡大してみたら、雄しべが不思議な構造をしていました。顕微鏡で観察すると面白そうです。
2004年8月15(日)  オニバス
 富山県氷見市の十二町潟へオニバスを見に行ってきました。
小さな栽培池いっぱいに大きなオニバスの葉が広がり、折り重なっていました。測定できる葉を見つけ巻き尺で測ったところ、1m25cmありました。
 午後2時頃だったので、花は閉じかけていましたが、葉を突き破って開花している様子がとても面白かったです。水面いっぱいに葉が広がっているのですから、咲くためにはどうしても葉を突き破らざるを得ないのですが。
 オニバスについての詳しいことは(ここ)をご覧下さい。

 
2004年8月13(金)  タニタデ
 アカバナ科ミズタマソウ属のタニタデ、一見、ミズタマソウによく似ていますが、全体として紅いという印象です。道ばたでひときわ輝いていました。
2004年8月12(木)  ヨシ枯れ
 今日の夕方、金沢市の中心部を流れる犀川のほとりに立ちました。好天(猛暑)続きで水位が下がったためでしょうか、岸辺のヨシが大量に枯れていました。
2004年8月11(水)  カラスビシャク
 カラスビシャクはなかなか根絶できない雑草の一つですが、マムシグサ好きの私にとっては愛すべき草の一つです。
 5月に大量に開花していましたが、6月にも開花し、また7月にも開花、今になってまた開花しています。
 この開花時期が長いのも繁殖の一因かも知れません。
 今年は5月から継続的に観察していて、データも貯まっていますが、データが貯まりすぎて整理をするのが大変で、なかなかFILEにできないでいます。
 この図は咲き始めといいいますか、花序が伸びてきたところです。
2004年8月10(火)  コウホネ
 コウホネは石川県では準絶滅危惧に指定されています。今日は、友人の案内で能登の七尾市池崎町のコウホネ群落を見学しました。川を埋め尽くす大群落とのことで、期待していったのですが、先週の日曜日に草刈りをしたばかりで、見るも無惨な状態でした。集落の農業用水ともなる川ですから、手入れをしなければならないのは当然ですが、残念でした。しかし、草刈りは表面的なもので、株が根こそぎになってしまったということではないので、あちこちで再生して花を咲かせていました。この逞しさが、生存を続けている原動力かも知れません。
 草刈りで散髪されたお陰で、抽出葉はほとんど無くなっていましたが、細長く葉縁の波打った沈水葉が見えやすくなっていました。花の撮影もできましたが、図は沈水葉で、偏光フィルターを使って撮影してあります。
2004年8月7(土)  アオギリ(3)
 アオギリは果実が裂開して、舟形に開くのでよく知られている植物ですが、今回、裂開する現場を撮影することに成功しました(リングストロボで撮影)。これまでアオギリ(1)〜(3)として部分的に紹介してきましたが、ようやく取材が一段落しました。後日、FILE 化しますのでお楽しみに。
2004年8月6日(金)  シナノナデシコ
 きょうは、外来植物調査で白山スーパー林道へ行きました。
路傍にシナノナデシコの群生する一帯がありました。工事で出た石の破片を捨てた場所です。林道工事で多くの自然が壊れ、土着の植物がすみかを追われましたが、シナノナデシコにとっては、生活適地が広がったようです。
2004年8月4日(水)  ミズオトギリ
 多分20年以上も前から、自宅のプランターで育てているミズオトギリです。午後2時過ぎから咲き出すというこの花、正直言って今日まで、観察したことがありませんでした。
 雄しべが3本ずつ束になっているところは、肉眼でもよく分かるのですが、雌しべの柱頭が3つに分かれているというのは、写真を撮影して初めて知ったような次第です。こういった発見が超マクロの面白いところです。
 使用機材は、オリンパスE−1にクローズアップレンズの10号を付けて、専用リングストロボを使い、撮影時刻は午後6時半でした。
2004年8月3日(火)  ミソハギ
 7月23日のミソハギの話題で、花糸の長い雄しべの葯は「青」で、短い雄しべの葯は「黄」だと申しましたが、これは中花柱花と短花柱花の場合です。長花柱花では、12本の雄しべがすべて黄色の葯です。これがどういう意味を持つのか、また謎が深まりました。これはもう、形態的な観察だけでは手に負えません。花粉の生理学が必要なようです。アマチュアには手の届かない世界です。
2004年8月2日(月)  ヒメヒオウギズイセン
 いかにも夏の花らしいヒメヒオウギズイセン。今朝撮影していてふと、花の奥に蜜標のあることに気が付きました。それもよく見ると下側の蜜標の色が濃く、上側が淡いのです。もし、昆虫が人と似たような見え方をするものなら、多分、下側の濃い蜜標に気づきやすいはずです。すると昆虫は、下側の蜜標めがけて花へやってきます。この花では、雄しべや雌しべが上の方から垂れるような位置にありますから、花へ来た昆虫の背中にうまく花粉が付き、そういう昆虫が、別の花へ行けば、背中の花粉を雌しべに移すことになります。下側に濃い蜜標があるのは、昆虫に花の下側から蜜をなめさせるための巧妙な誘いだということが分かります。
2004年7月31日(土)  サネカズラ
 きょうは金沢城公園の植物調査の日でした。いつもの3人のメンバーで午前9時から担当区域を一回りしました。普段は12時までの3時間の活動ですが、今日はとても暑いので、早々に切り上げてしまいました。ヤブミョウガがきれいに咲いていたのと、クサギが咲き出していました。金沢城も夏の装いです。
 昨年見つけておいたサネカズラの大木(?)もすでに開花期を迎えていました。
雄花(左)は開花しており、雌花(右)の方は開花していなかったのですが、これが雌花に違いないと考えて無理にこじ開けてしまいました。お許し下さい。
 この肉厚の立派な花が「朝咲いて、夜にはしぼむ」一日花とは、花を見ただけでは信じがたいです。

 昔、びんつけ油の代わりに整髪に使ったことから「ビナンカズラ(美男葛)」の別名があるという話を知人にしましたら、かつて母親から聞いたことがあるとのことで、新たに取材をして下さいました。サネカズラをどのようにして整髪料として使用したかという様子が目に浮かぶような報告です。ぜひ「サネカズラ」の FILE をご覧下さい。(ここ
2004年7月30日(金)  カワラサイコ
 手取川の河川敷のところどころでは、いま、カワラサイコが花盛りです。石川県では絶滅危惧2類に選定されていますので、大切に保護されています。茎は毛深く赤みを帯び、葉は深く羽状に裂けて15〜29の小葉に分かれ、それぞれの小葉がさらに羽状に深く裂けています。葉の下面が白い綿毛に覆われているのが特徴です。
2004年7月28日(水)  ハグロソウ
 ハグロソウと聞くと頭の中では「羽黒草」という文字が躍るのですが、じつは「葉黒草」なのだそうです。葉が暗い緑色であるところから付いた名だと言われています。
 花冠は2唇に分かれ、雄しべ2,雌しべ1があります。花冠の先端部が白飛びしやすいので写真に撮るのはかなり難しいと思っていました。しかし、花をよく観察してみると、花冠の先端部は実際にほとんど色がないのです。白飛びではなかったのです。それに気が付いてからは撮影しやすくなりました。むしろ難しいのは、雌しべの柱頭が2つに分かれている様子や、雄しべの葯です。どちらも白色(無色?)で、特に、柱頭は花弁の白い部分に重なるので、分かりにくい写真になります。柱頭が2又になっていることは、下唇に影を落とすことで分かり易くする手もあります。また、葯は複雑な形をしていて、これは普通のマクロでは表現が困難です。顕微鏡写真を使わないと説得力のある写真にはなりません。
2004年7月27日(火)  マルバフユイチゴ、コバノフユイチゴ
 今日は医王山へ行ってみました。この時期あまり花は咲いていないのですが、クサギが咲き出していましたが、他の木の枝がじゃまになって良い写真は撮れませんでした。
 登山道の横で、コバノフユイチゴの果実が真っ赤に熟していました。私は別名として知られているマルバフユイチゴの方が体を表しているので好きです。「フユイチゴ」と名前が付いていますが、果実は夏に熟します。食べられるはずだと思い口にしてみましたが、はっきり言ってまずかったです。
 石川県では、400〜1000mの山地に限ってみられる割に珍しい植物なので、見つけるたびに「あっ!ここにもあった」と声に出してしまいます。
2004年7月25日(日)  オニユリ
 再びオニユリの登場です。
オニユリと言えば、小学生の頃、家族で能登の海へ海水浴に行ったとき、電車の車窓から眺めた記憶がよみがえります。昔から石川県の海浜には多かったのでしょう。今ではかなり減って、しまいましたが、方々の浜辺で見ることができます。
 ここは松任市八田町の松林内で、地元の方が大切に保護増殖を図っているものです。ちょうど満開の時期で、カメラをもった人が次々に訪れていました。
2004年7月24日(土)  スズサイコ
 昨年、スズサイコの FILE を発表したとき、ガガンボの仲間が蕊柱(ずいちゅう)の隙間に挟まって逃げられなくなっているのを取材しました。これは反響が大きかったので、今年はどうかと、今朝、見に行ってきました。結果として、3件の逃げられなくなったガガンボを見つけることができました。ガガンボが激しくもがくので、リングストロボを使って撮影してあります。
 今年は、意識して取材したので、逃げられない現場をじっくりと見ました。図の矢印で示されたように、右前足口先(吻:ふん)の2カ所が挟(はさ)まって逃げ出せなくなっていました。
 スズサイコの花粉を運んで貰う仕組みが、ガガンボのような華奢(きゃしゃ)な昆虫には、恐ろしい罠になってしまうのでした。ただし、これはあくまで事故であって、決して食虫植物ではありません。
 なお、これだけの説明では、分かりにくい点が多いと思います。スズサイコの FILE (ここをクリック)をぜひお読み下さい。
2004年7月23日(金)  ミソハギ
 我が家のミソハギが昨日から咲き出しました。昨日、出勤間際にあわてて撮影したものはすべて失敗(ピンボケ)でしたので、本日改めて取材しなおしました。
 ミソハギの花は12本ある雄しべが、長い6本と短い6本に分かれています。(長短双方の雄しべにピントを合わせるのはとても難しいです。)よく観ると長い方の葯は青く、短い方の葯は黄色なのです。花粉の色も違うのです。どのような意味があるのでしょうか? 植物の世界は不思議で一杯です。
 なお、ミソハギには花柱の長さが異なる3種類の花があり、この花は「短花柱花」です。
短花柱花の場合には雌しべの柱頭は外からは見えません。
 「石川の植物」のFILE28 でミソハギの花を詳しく解説してありますので、こちらの方もご覧下さい。ここをクリック
2004年7月22日(木)  オニユリ
 我が家のオニユリが今朝2株で開花していました。夕方帰宅するともう1株で開花していました。庭には数本のオニユリがありますが、いずれもその昔、ムカゴを拾ってきて蒔いたものです。これが咲くと、夏本番という気がいたします。
 オニユリ・コオニユリについてはFILEを作ってありますのでご覧下さい。
 オニユリの花粉も繋がっていることがありますが、粘着糸があるのかも知れませんが、クモの糸の可能性も高いようです。今度顕微鏡で見てみましょう。
 画像は、花の奥を明るく写すためにリングストロボを補助光として使ってあります。
2004年7月20日(火)  デンジソウの睡眠運動
 デンジソウの葉の運動について7月7日に報告いたしました。
 今日、たまたま夜勤があったので、睡眠運動を観察できるとリングストロボを持参して待機しました。夕方6時にはもう目に見えて小葉が閉じだしました。画像は21時14分の状態です。完全に閉じています。いずれもっと詳しく観察して、デンジソウのFILEに追加したいと思います。
2004年7月19日(月)  ヨウシュヤマゴボウとキジバト 
 帰宅したら、隣の敷地との境界に生えているヨウシュヤマゴボウの枝にキジバトが2羽並んで止まっていました。
 車から降りたら間違いなく逃げてしまうので、フロントガラス越しに撮影することにしました。広角レンズが付いていたので急遽レンズ交換をしている内に1羽が飛び立ってしまいました(右下)。でも、画面のちょうど真ん中に未だ1羽が残っていますね。分かりますかね。
 未だ果実が未熟だったせいか食べられることはありませんでした。そういえば、昨年、完熟した果実をカラスが突いていました。
 けっこう鳥によって分布を広げることができそうです。
 それにしても、購入後8年目を迎えながら、未だ1度しか洗車をしたことのない我が愛車のフロントガラスは汚くて、濁った画像(初代のCOOLPIX900のような画像です)にしかならなかったのは残念でした。
2004年7月18日(日)  ニガクサ
 我が家のプランターに、植えた覚えのないニガクサが大量に発生しました。奇妙な形の花なので、一寸撮影してみました。
 シソ科の植物なので、花は唇形なのですが、3裂する下唇の中央の裂片が特に大きく、また、小さな上唇が2裂して、それぞれ下唇の側裂片に附属するような形で存在するため、下唇だけが目だって、花冠全体としては1唇形に見えます。
 名前が苦草なので、かじってみましたが、特別苦いことはありませんでした。
萼にある毛が腺毛だと「ツルニガクサ」です。
 この写真はリングストロボで撮影したものです。
2004年7月17日(土)  アオギリ(2)
 7月11日にアオギリの雄花が登場しています。今日は、雌花を観察に出かけました。雌花は雄花より3日後に咲くのだそうです。どおりで、先日開花していたのはほとんどが雄花でしたが、今日は逆にほとんどが雌花でした。雄の時期は終わってしまったようです。花粉を先に準備して置いてから雌花を開花させるとは、なかなか考えたものです。
 中に1株開花の早かった株があり、そこではもう若い果実ができつつありました。よくみると、かなりの数の雄花(だけ)が見られるのです。
 詳しい観察はできていませんが、始めに雄花が咲いて花粉を用意し、次いで雌花が咲いて花粉を受け取り種子を作ります。しかし、遅く咲いた雌花が花粉をもらえない恐れが出てきます。そういう雌花に対する備えとして最後にもう一度雄花が咲くという3段構えの開花をしているのではないでしょうか。
 もう少し詳しく解説すれば、このように開花の時期をずらせているのは、同じ株の中での花粉のやりとりではなく、群落全体として、別の株へ花粉を受け渡すための配慮であることは言うまでもありません。すなわち、ある株で雌花が咲いたときには、その株の雄花はもう機能を停止していても、別の遅れて咲いた株は雄花の時期を迎えるので、そこから花粉を貰うことができます。こういうことを順繰りに行って、群落全体として、他家受粉(別の株の間で花粉のやりとりをすること)をすることができます。しかし、最後に咲いた雌花には花粉を提供してくれる花がないことになります。その危険を回避するために、第3段階として雄花を咲かせているのではないかと考えています。アオギリもなかなか奥が深いです。
 (注:ねらうところは他家受粉ですが、1株の花序で、すべての花が同時に開花するわけではありませんので、いま述べたことは、同じ株の中の現象として考えることも可能です。)
2004年7月15日(木)  加賀海岸
 勤務先、石川県自然史資料整備室の今年の企画展示は「加賀海岸の自然を探る」です。その取材で今日は、加賀海岸へ出かけました。とても暑かったです。
 さて、加賀海岸は、3つの顔をもっています。
一つは、砂浜海岸です。昭和天皇の展覧を受けた、ハマゴウ群落の続く砂丘です。ご覧のように黄色いラーメンをぶちまけたようなアメリカネナシカズラの天国です。画像の奥の方に高台がありますね。二つ目の断崖です。
 断崖は海蝕崖で、波打ち際から切り立っています。崖の上には、クロマツ林が広がり(松枯れで見る影もなく貧弱になっています)、ノハナショウブ(花は終わっています)、オニユリ(後10日ほどすれば開花)、ヤマホタルブクロ(開花中)、ヤマアマドコロ、ツワブキなどの茂る所です。
 三つ目は、鹿島の森と呼ばれる原生林です。今日はカラタチバナの花盛りでした。陸に住むアカテガニの子どもが、沢山いて、落ち葉をガサガサいわせて逃げまどっていました。
2004年7月13日(火)  OLYMPUS E−1
 昨年10月に発売になったデジタル一眼レフです。価格がこなれてくる今年の4月頃に買おうと考えていたのですが、当時愛用の COOLPIX990のレンズが駆動しなくなるという故障が、ちょうど10月に発生したため、急遽購入してしまいました。
 未だ価格が高く、なんやかやと30万円以上をつぎ込んでしまいました。いまでは価格も下がり20万円台で収まるようです。
 購入のポイントは3つありました。
1 ダストリダクション:CCDに付こうとする埃を超音波振動で払い落とす機構
2 レンズを含めた防滴仕様
3 デジタル用に設計された専用レンズ

 他のデジ一眼を使ったことはないので比較はできませんが、非常に使いやすいカメラです。
なんと言ってもレンズ交換に当たって、埃の進入を全く気にする必要の無いのがうれしいです。
半年使って、今日、ミラーを見たら、画像のように埃だらけでした。ミラーどころかボディ内部も埃だらけでした(手入れが悪い)。他のデジ一眼だったら、相当な気を遣ってレンズ交換をしなければならないところでしょうが、このように大量の埃がカメラ内部に入っても画像に埃が写り込むことのないのがうれしいです。
 さて、防滴構造ですが、ボディだけではなくて、レンズまでが気密構造になっているのは素晴らしいと思います。私はあえて雨の中で使いはしませんが、聞くところによりますと、3月のフォトエキスポのオリンパスのブースでは、E−1に如雨露(ジョウロ)で水をかけていたということです。
  最近の情報では、「価格.com」(ここ)の掲示版「3020170」で、他のデジカメは30分で使用不能になった雨の中、2時間経っても平気だったとの記事も出ています。
 また、ボディは結構重い(660g)のですが、F2.0のマクロレンズは300gと、信じられないくらい軽くとても使い易いです。
2004年7月12日(月)  ヤマゴボウとヨウシュヤマゴボウ
 ヤマゴボウは5月中旬にはもう咲き出す。ヨウシュヤマゴボウの開花はそれよりも少し遅いが、6月には咲き出し。これから夏にかけて全盛期を迎える。
 ヨウシュヤマゴボウは明治年間に北アメリカから渡来したとされる帰化植物で、ほとんどどこの荒れ地へ行っても見られるから皆さん見慣れていることと思う。ヤマゴボウは中国原産で、薬用として日本に持ち込まれたものが逸出して野生化していると考えられているもので、かなり珍しい。
 今、自宅では両者が果実を作っているので、ヨウシュヤマゴボウを整理(伐採)したのを機会に、両者を並べてみた。ヨウシュヤマゴボウの果序がひょろひょろと垂れているのに対し、ヤマゴボウはがっちりと直立していて見応えがある。また、ヨウシュヤマゴボウの心皮は10個で、ヤマゴボウの心皮は8個なので、この点でも区別が付きやすい。
 詳しいことは「石川の植物」のFILE63(ここ)をご覧頂きたい。
2004年7月11日(日)  不思議な花「アオギリ」
 自生木ではないが、アオギリの花を見た。雌しべの柱頭に変な模様があった。
拡大したのが下左の画像である。不思議な模様である。触っている内に壊れてバラバラになってしまった(下右)。
雌しべの柱頭が分解する? 初めての経験である。
調べたところ、これは雌しべではなく、雄しべだったのだ。
なんと、雄しべの花糸がくっついて花柱みたいになっており、柱頭みたいに見えたのは葯の集まりだったのだ。このように雄しべが合着するところはアオイ科に似ている。
2004年7月9日(金)  コガマ
 6月28日のオニバスの記事で、オニバスの水槽に繁茂している「ガマ」のことを述べたが、ここ数日の内にどんどん開花してきた。今日、花粉を調べたら、すべて単粒(ガマだと4個の花粉がくっついている)なので、「コガマ」であることが分かった。狭い水槽の中で成長の悪いガマだろうと思っていたのに、そういえば小形で、葉も細かった。
 コガマは、石川県では絶滅危惧2類にランクされている。オニバスのためには退治したいが、困った。図はコガマの花粉。
2004年7月8日(木)  オオアワダチソウ
 手取川の河川敷へ行ったら、もうオオアワダチソウが咲いていた。一昨年は、6月27日に見ているから、決して早いわけではないが、石川県ではオオアワダチソウはセイタカアワダチソウほど多くはないので、開花に気が付きにくいだけだろう。
 一見すると、セイタカアワダチソウに似ているが、違いはいくつかある。初心者にも分かり易い相違点は、まず、花期である。今頃咲くのは100%オオアワダチソウである。セイタカアワダチソウだと花は10月になる。もう1点は茎である。左の円内のように茎がツルツルしている。セイタカアワダチソウでは短毛があってザラザラしているので、花のない時期でも区別は容易である。
2004年7月7日(水)  デンジソウ
 今日は、33℃を超す暑い日だった。何気なくデンジソウ栽培のプランターをのぞくと、何か様子が違っていた。よく見ると、あまりの暑さに小葉を閉じようとしているらしかった(図左 午後1時49分)。それなら夕方にはまた開くに違いないと、期待していると、午後4時34分、ほとんどの葉が元のように平開していた(右図)。
 記録ではどうなっているかと、「水生シダは生きる 白岩卓巳 著」をひもとくと、「夕方暗くなると葉を閉じ、朝明るくなると開いてくる。晴雨など天気の様子で敏感に反応する。マメ科のネムの葉タイプの運動型をとり、日ざしが強い真夏の昼に閉じるマメ科クズタイプの運動をしない。」とあった。
 勤務先のプランターなので、これまで日中しか観察していなかった。睡眠運動を観察するには、プランターを自宅に持ち帰らなければならない。近日中に実行しよう。しかし、「日ざしの強い真夏の日中に閉じない」という記録とは反した行動を取っている。
 先達の示唆はありがたいが、またそれとは反した事実も見つかった。ますますデンジソウの魅力が深まった。さらに注意して観察を続けたい。
2004年7月6日(火)  ネムノキ
 今日は、11月に開催する企画展示「加賀海岸の自然」の取材で、海岸を歩き回った。暑くてとても疲れた。ネムノキの開花の様子は、線香花火のようで好きだが、高いところにあることが多く、撮影は困難である。ところが砂丘の上では、ネムノキも堆積する砂に埋もれていて、わずか膝小僧程の高さで開花していた。これならじっくりマクロ撮影ができると喜んだのは浅はかだった。線香花火のようにはじけた雄しべは、どこでピントを合わせたらよいのか全く分からない。かくして失敗画像の山を築いてしまった。中で1駒だけ、線香花火状を撮影したいという最初の趣旨とは異なり、会話をしているような雄しべをピックアップすることになった。
2004年7月5日(月)  ホテイアオイ
 3日に開花した花は、当日の内に終わりを告げたはずである。4日が日曜日であったので観察はできなかったが、今日(5日)見ると、花茎は急角度に折れ曲がり、花序の部分を水面に近づけている。種子を確実に水中へ落とすための仕組みなのだが、ここのホテイアオイはすべて中花柱花で、種子を作らないので、無駄骨ではある。ホテイアオイについてはここに詳しい。
2004年7月4日(日)  ホソバウンラン
 このごろ、金沢城公園では「ホソバウンラン」が花盛りだ(6月6日にはもう咲いていた)。煙ったような色合いの細い葉を付ける帰化植物で、石川県では未だ多くはないが、金沢城公園管理事務所横の土手に大群落を作っている。
 これから9月頃まで開花が続き(昨年は9月27日でも未だ咲いていた)、これはこれで良い眺めなのだが、公園としては芝生の雑草になるわけで、いずれきれいに刈られてしまう。でもご安心を、すでにたくさんの種子を作っているので、まだまだ増えそう。
2004年7月3日(土)午前9時  ホテイアオイ
 昨日の蕾は予想どおりすべて開花していた。今年の初開花である。6花。
この豪華な花が一日花であるとは、花を見ただけでは信じがたいが、ほとんど99%の花は、当日の内にしおれてしまう。曇天の日など、稀に1〜2花が翌日まで残っていることはあるが。
2004年7月2日(金)午後3時  ホテイアオイ
 平成14年に、勤務先の自然史資料整備室の企画展示の準備で、河北潟を調査したとき、大量のホテイアオイを見つけ、一部を持ち帰って培養した。南国生まれの植物だが、冬の間は、室内に取り込むだけで無事越冬し、2冬を越すことができた。
 本日午後3時に見たところ、今年最初の薹(とう)が立っていた。数センチの小さな蕾(花序)だが、明日の朝には十数センチに伸びてびっくりするような開花を見せるはずである。

 明日の日誌もお楽しみに。
2004年7月1日(木)  ノラニンジン
 
朝5時に起きて手取川までスズサイコの撮影に行った。天気は良かったが、風が強くて十分な撮影ができなかった。帰りに近くを探索して、ヤブカンゾウ、ネムノキ、ナンテンハギなどを観察した。ここ手取川の河川敷にはノラニンジンが多い。最近、石川県では増えてきたような感じがする。帰りの国道8号線の中央分離帯でも沢山見かけた。セリ科のものは同定困難なものが多いが、ノラニンジンは花序の基部にある苞が、花後に立ち上がって花序を包んでまり状になるので遠くからでもそれと分かる。
2004年6月30日(水)  セイヨウミヤコグサ
 
地元の「金沢みどりの調査会」の方の情報で、新しく開通した道路の脇に「セイヨウミヤコグサ」があるとのことだったので、現地調査に行った。道路の法面や未開通部分の工事中の場所で、セイヨウミヤコグサが大繁殖していた。
 ミヤコグサとの区別点はいろいろあるが、第1のポイントは花序を構成する花の数である。
ミヤコグサは1〜3個(2個が多い)で、セイヨウミヤコグサは4〜8個である。萼裂片の長さと萼筒の長さの比較でも区別がつく(多くの場合)。
2004年6月29日(火)  ヒメザゼンソウ
 開花時期になっても葉の枯れないタイプのヒメザゼンソウがあるということで教えて頂いた自生地へ今日出かけてみた。たしかに枯れていない葉も沢山あり、開花もしていたが、枯れたのも多く見られた。この写真の株もほとんど枯れてしまっていた。結論としては、葉の枯れるのが少し遅いタイプということで良さそうである。
 暗い杉林の中の湿地なので、久々にCOOLPIX990に、LEDライトを点灯して撮影したものである。撮影済みの画像を拡大してみて驚いた。なんと蜘蛛の巣が張っているのである。雄しべの衰え方から見て、花期の終わりと判断した。
2004年6月28日(月)  オニバス
 一昨年、私のオニバスのページを見た読者の方のご厚意で、系統保存のための培養をしている株の中から実生苗10株程を頂いた。3種類の容器に分けて栽培したが、2つの容器のものは間もなく全滅、残り一つの容器では2株が生き残り、開花にまでこぎ着けた。しかし、小さな花で、しかも閉鎖花の方が種子ができやすいとのことなのに、すべて展開花であった。できた果実も小さく、種子はできていなかった。がっかりしていたところ、1年空けた今年になって突然オニバスの葉が出現した。どうやら完全な種子ができていたものらしい。
 じつは、昨年1年間の間に、この水槽にはガマが大量に茂り、水面全体をふさぐような状況であったので、ガマを整理し始めたときにオニバスに気が付いたという次第である。これから、ガマと戦いつつ、オニバスを育成しなければならない。どうすればよいのか分からないが、何とか工夫するしかない。
2004年6月27日(日)  ナニワズ  
 自宅の庭のナニワズの果実がすっかり落ちてしまった。これが最後の1個だ。先日、6月17日に自生地へ見に行ったところでは、葉も果実も落ちてしまい、深い藪の中で、どれがナニワズであるかさえ分からなくなってしまっていた。背の低いナニワズにしたら、藪の深くなるこの時期、葉を落として夏眠するというのは、大胆にして効果的な生活の知恵といえる。とは言え、8月の終わり頃には、新葉が展開し出すのだが。ナニワズについての詳しいことはここを参照。

2004年6月26日(土)  アカンサス  オオバジャノヒゲ   
 金沢城公園植物調査の日。朝から小雨模様の梅雨らしい日となったが、午前9時、いつもの3人が管理事務所の前に集合した。この会は、台風でもない限り、小雨程度では決行することが掟となっているのでちゃんとメンバーが集まってくるのだ。
 雨の中、藪こぎをするのはいやなので、園路に沿って担当区域を一回りした。

 金沢城址は公園になる以前は、金沢大学がキャンパスとして使っていた。金沢大学の校章(学章?)はアカンサスの葉をデザインしたものである。それ故、金沢大学当時は、何株も栽培されていたものであろうが、現在の金沢城公園では二の丸の一角に一株が残存するのみである。
 キツネノマゴ科の多年草で、鋭い刺のある植物。特に苞にある刺は鋭く、観察しようと花に触ると痛い目に会う。
 アカンサスの主な種は地中海沿岸に自生し、その成長力が注目され、ギリシャ時代に生命力を象徴する植物と見なされるようになった。コリント様式の建築では、柱の頭部にアカンサスの葉がデザインされている。
 
 アカンサスには何種類かが知られているが、これは

葉を握っても痛くないので、
Acanthus mollis L. と同定しました。(2005.2.1)

アカンサスの解説は、園芸植物大事典(小学館.1999)による。
 方々の植え込みでは、オオバジャノヒゲが満開を迎え、雪が降ったかのような美しさだった。
 野生のものに比べて花茎が高く,30cmを超えるものもあった。
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花模様