FILE5  スハマソウ Hepatica nobilis Schreber
 var. japonica Nakai  forma variegata (Makino) Kitam.
(キンポウゲ科  Ranunculaceae)

学名は、日本の野生植物2(平凡社)によりました。

 
図1 白花が多い

図2 微妙にぼかしの入った紅のスハマソウも多い

 早春、雪解けのあとすぐに開花するので「雪割草」とも呼ばれて親しまれています。ミスミソウ、オオミスミソウ、スハマソウなどと呼ばれる品種があり、その区別は微妙でよく分かりませんが、石川県のものは、根出葉の裂片の先端が鈍頭なので、スハマソウと呼ばれています。

 石川県では、県下全域に分布しますが、門前町・猿山の群落は、特に見事です。門前町では、町おこしの一環として、この地の群落を大切に保護すると共に、宣伝にも努めております。
 2005年3月19日(土)には、雪割草祭も行われていました。

 この日は、まだ咲き始めでしたが、5台の大型バスの観光客を含めて、400人近くが見物に押しかけたようです。

 日本海側のスハマソウは、白花の他に花色が多いことで知られていますが、石川県では、青花はまだ見ておりません。圧倒的に多いのは、白花であり、紅色系は少ないのですが、いろいろの程度のものが見られます。
 園芸店では、色物1鉢1000円、白花1鉢800円で売られていることから、おそらく色物が好まれて先に乱獲され、白花が残ったこともその一因ではないかと考えられます。私も色物が好きで、変わりものを探しては撮影していますので、かえって白花の写真が少ないという現象になっています。

 ここ猿山では、盗掘防止と、PR のために、ライブカメラが設置されています。次のURL でご覧になれます。色彩はあまり良くありませんが、ズーム比の大きいレンズを使っているので、自生地の様子がよく分かります。撮影に夢中になって、縄張りの中へ踏み込んだ姿などはバッチリ捉えられていますから、ご用心を。

http://219.99.222.219/top/liveapplet-j.html

 今回は、いつものような解剖はありません。花の色変わりを並べてありますのでご覧下さい。

図3 猿山の急斜面に色とりどりの群落が広がる。

図4 白花が多い

図5 淡い紅色も捨てがたい趣だ

図6 葉の先端部が丸みを帯びている 図7 葉の形には変異が多い

図8 白花 図9 葯が淡い紅色

図10 葯だけ紅色 図11 萼片の縁だけ紅色

図12  図13 

図14  図15 

図16  図17 ほとんど紅色

図18 稀にはほとんど真っ赤なものもある

図19 早春ではあるが、花に昆虫が来ていた。蝿の仲間のようだ。

 スハマソウの名の由来は、牧野日本植物図鑑によると、「洲濱草はその葉の形状、島台の洲濱に似たるより出づ」となっています。
島台とは、饗宴の飾り物として、松・竹・梅・鶴・亀などを飾るのに使った洲濱(州浜)の形に象(かたど)った台のことです。
州浜というのは、河口付近で土砂が堆積した曲線のある海岸の姿です。

文献
牧野富太郎. 1954. 牧野日本植物図鑑 p558. 北隆館.
田村道夫. 1981. 日本の野生植物 2.p70.平凡社.
新村  出. 1960. 広辞苑. 岩波書店.
林  巨樹. 1978. 現代国語例解辞典. 小学館.

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