FILE32  キチジョウソウ Reineckea carnea (Andr.) Kunth         (ユリ科 Liliaceae)

 キチジョウソウ(吉祥草)は、日本と中国に分布する1属1種のユリ科の常緑多年草で、常には花をつけないが、植えてある家に吉事があるときには開花するという言い伝えに由来(1996.木村)するようですが、あくまでも俗説です。我が家では、毎年大量に咲きますが、さして良いことも無いみたいです。まあ、悪いこともないようですが。とにかく、縁起の良い名前の植物です。
 学名の「Reineckea」は、ベルリンの園芸家H. J. Reinecke氏への献名、「carnea」は、肉紅色のという意味で、花の色から付いたものでしょう。

図1 キチジョウソウの株(1985年10月31日)

図2 今年もキチジョウソウがたくさん開花した。(2007年11月4日)

図3 地表を根茎が走り、びっしりとキチジョウソウで埋まる。(2007年11月4日)

図4 上の方の4個の花は雄花。それより下部の花は雌しべがはっきり分かる両性花。(2007年11月4日)

図5 雄花。雄しべが6本見える。(2007年11月4日)

図6 雄花の奥には、未発達(退化した?)の小さな雌しべが見える。

図7 両性花。雄しべのほかに雌しべが見える。(2007年11月4日)

 10月下旬から、15cmほどの花茎が直立し、直径1cmほどの花が、下から上へと咲き上がっていきます。上方の花は、雌しべのない雄花(図4の上部)で、下方の花は、雌しべのある両性花(図4の下部)であることが多いようです。

図8 果実は赤くなる。

図9 果実のアップ。

図10 果実は液果で、翌年の花の時期になってもまだ残っていることがあり、その場合には、花と果実を同時に見ることができる。

文献

佐竹義輔. 1982. 日本の野生植物1 :45.平凡社.
木村陽二郎監修. 1996. 花と樹の大事典:135.柏書房.

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