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FILE130 ジャノヒゲ Ophiopogon japonica (L. fil) Ker−Gawl. (ユリ科 Liliaceae) 学名は、日本の野生植物によりました。 |
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| 自宅の庭には、約2.3×1.5mの範囲にわたってジャノヒゲの大群落があります(図1)。 葉が最大30cm程と長大なのでナガバジャノヒゲと思い込んでおりましたが、地下に横走する地下匐枝(ふくし)がはっきりしているので、「ジャノヒゲ」とするのが適切だと判断しました。 |
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| 図1 ジャノヒゲは、庭の一角を占めて、びっしりと群落を作っている。(2009年1月8日) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 長い葉の陰で開花・結実するので目立たず、ほとんど年中緑の葉しか見えていませんが、冬の日、葉をどけてみると見事な種子を見ることができます。 この果実のように見えるのは、じつは果実ではなく「種子」です。ヤブラン属(ヤブラン、ヒメヤブランなど)やジャノヒゲ属(ノシラン、オオバジャノヒゲなど)の植物では、果皮(子房)は成熟の過程で破れてしまい、その後、種子は露出したまま成熟します。 |
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| 図2 葉の茂みをかき分けると種子が見えてくる。果実のように見える種子が眼に鮮やかだ。(2009年1月7日) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 図3 色鮮やかな種子(直径1cm弱) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 図4 種子の断面 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 普通の図鑑類には、「ジャノヒゲやヤブランで、果実のように見えるのは種子」ということが書いてあります。しかし、そう書いてあるからといって、理由も分からずに丸暗記するのでは進歩がありません。そこで、私なりに解説を試みてみます。 ジャノヒゲの場合には、1つの花が1つの種子になるので、一見して種子とは気がつかないのですが、ヤブランの場合には、1花に複数の胚珠(胚珠が育つと種子になります)があって複数の種子ができますから分かりやすいので、先ずヤブランで説明いたします。 ヤブランの子房は3室で、各室に2個の胚珠があるので、最多で6個の種子が1箇所、即ち花のあった位置に付くことになります。しかし、なかなか全部は育たず、1〜4個くらいしか熟しません。図6で四角く囲った箇所はそれぞれ、一つの花に由来する種子で、ほとんど発達しなかったものを含めて1〜4個の種子が見えています。
そんなときの判別方法を紹介致します。 図9のサネカズラや図10のサルトリイバラを見て下さい。それぞれの粒の先端に「へそ」のような小さな突起が見えますね。この「へそ」のようなものは、雌しべの、特に花柱の残骸でしょう。花柱の残骸があるということは、雌しべのなれの果てということを示しています。1個の雌しべが1個の果実になりますから、この1粒1粒が果実だということになります。 |
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| 話をジャノヒゲに戻します。 最初に「地下に横走する地下匐枝がある」と申しました。図14では、地下匐枝でつながった6本の地上茎が見えます。 |
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| 図14 6本の地上茎が地下匐枝でつながっている。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 図15 地下匐枝の節には鱗片葉が付いていますが、古くなると破損して、見えなくなってしまいます。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 図16 この地下匐枝の節には鱗片葉がわずかに残っている。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 図17 根の所々が膨らんでいる | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 根は所々で膨らんでおり、資源植物事典によれば、「根にある塊を採り水洗して乾かしたものを小葉麦門冬(しょうようばくもんとう)と呼び、滋養強壮、鎮咳、きょ痰、利尿に効があるという。」 |
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| 花は葉の陰に隠れているので目立ちませんが7月頃に開花します。花柄はやや曲がり、花はうつむいて咲きます。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 図18 ジャノヒゲの花序(2002年7月14日) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| オオバジャノヒゲ Ophiopogon planiscapus Nakai (ユリ科 Liliaceae) 学名は、日本の野生植物によりました。 |
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| 同属のオオバジャノヒゲは、最近は公園などでグラウンドカバーとして良く植栽されています。 花序が葉と同じほどの高さになるので、ジャノヒゲと違って花はよく目立ちます。 ジャノヒゲと比べて一見しての違いは、その葉の先端の形です。 |
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| 図21 グラウンドカバーとして植え込まれたオオバジャノヒゲ(2004年6月26日) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 図22 オオバジャノヒゲの花序。短い花柄をもった花が2〜3個ずつかたまって付く。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 図23 オオバジャノヒゲの花 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 図24 オオバジャノヒゲの種子(未熟) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 図25 オオバジャノヒゲの種子(未熟)のクローズアップ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| オオバジャノヒゲの種子も分かりやすい例です。 花柄というのは一つの花を支える柄のことですから、この先に1個の雌しべと6個の雄しべをもつ図23のような1個の花がありました。 1個の雌しべですから、1個の果実ができるはずですが、未熟のものを含めて6個も見えます。これはとりもなおさず、「果皮(子房)が成熟の過程でなくなり、その後、種子が露出した」ということを表しています。 |
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| 付録1:オオバジャノヒゲとジャノヒゲの識別点 もちろん、一見して分かるのですが、具体的な決め手としては、葉の幅と先端の形です。 |
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| 図26 オオバジャノヒゲの方が先端がずんぐりとしており、葉の幅も広い。どちらにも微細な鋸歯がある。上辺スケールの単位はmm。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 付録2:根にある塊(小葉麦門冬) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 根の一部(皮層)が肥厚したもので、断面を見ると根の維管束が通っています。根に色素を吸収させて観察してみました。 |
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| 図27 ジャノヒゲの根の一部が肥厚したもので、断面には根の維管束が通っている。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 図28 根の肥厚部の横断面。維管束のところに強く色素が付着した。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 文献 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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