マツ


庭木の王者マツ。
反面、金食いの木とも言われている。春の「みどりつみ」に暮れの剪定ともみあげ。
それにマツカレハなどの毛虫やカミキリ虫類の俗に言うマツクイムシがつくので消毒。
虫取りの為に行うコモ巻き。 と手間の掛かる庭木である。

しかし、手を掛ければ掛けるほど答えてくれる木でもある。
マツの手入れが出来れば一人前と言われるほどマツの剪定は慣れないと難しい。
屋根より高いのになると1人で2日、3日かかる場合もある。
ご自分の庭のマツで時間的に余裕があるのなら1日2枝とか3枝などと決めてやっていき
完成させれば逆に楽しい手入れになるのかもしれない。
「みどりつみ」については、2002年5月の「施工状況」と「アルバムの部屋」の
「松みどりつみ 施工状況」にも状況は載せてある。
それからマツは色んな種類があるが基本的には剪定の仕方は変わらないので
主に赤マツと黒マツの写真で書いていく。



手入れの行き届いたマツは見事にその姿を現せてくれる




みどりつみは、春に約3寸くらい伸びたら指でつんでやる。
あまり早くやるとあとでまた伸びすぎて元に戻ってしまい、遅いと硬くなって指ではつめなくなり
ハサミをつかうようになって捗らない。
丁度良い時期にやるようにする。
勢いがよく枝が密なマツは元から、あまり元気がない枝は少し長めに残しておくと良い。
三つを割ると言って真ん中の芽は元からつみ、2つは長めに残す方法もある。
元気のいい枝は元からつみ、枝が疎らな場合は長めに残す。またはつまないで残す場合もある。


マツの剪定は、直線的でなく稲妻型や川の流れのように曲がりやひねりをつける
稲妻すかしと真ん中の芯枝を抜いて二股仕立てにする亀甲すかしがある。
また、北国と南国とで透かし方に強弱がある。これは、雪の多い地方ほど強く透かして
枝折れを防ぐ為にそうせざるを得ないからだ。

ここでは、剪定ともみあげ、古葉ひきについて私なりに説明したい。
まず古葉ひき。 下の写真のように赤茶けた古葉を落としてやること。
枯れた葉は自然にも多少は落ちるが放置しておくと枝と枝の間に溜まってしまい
せっかくの新芽や下の枝を埋もらしてしまい日が当たらず、枯れてしまう。
また外側の枝だけが間伸びして格好が悪い。それを防ぐ為に古葉は取ってやる。
あと「もみあげ」。 これは芽の下の一年経った葉で(色も深緑なのでわかりやすい)マツ自体が
落とさないので人為的に取ってやり樹勢を図るものである。
この葉は、木の勢いによって取る量を調節する。

親芽を取って孫芽を残す 古葉ひき
作業前 作業後

ごちゃごちゃした枝も形を整え採光しやすくしてやる。
その為には親芽を切って孫芽(脇芽)を残してやる。
そして1枝1枝を分厚くしないで平らに薄く仕上げていくように心掛ける。
常に枝を更新していき孫芽を大切にして間延びした枝を作らないように。
そして均一に、密なところと疎らなところが出来ないようにバランスよく剪定していく。



親芽と孫芽
※親芽とは、その前の年から伸びてる芽で長く伸びている。孫芽は、今年出た小さな芽のことを言う。



アカマツは幹肌も美しく古い樹皮は竹箒やノコギリの背の部分、あるいはゴム手袋でしごいて
取ってやると中から新しい肌が現れてくるので剪定と一緒にこの作業もする。
樹皮を取る前 取った後


下の写真のマツは3年間手入れをしないで放っておいた為に枝が間延びして野木になってしまった。
こうなると木バサミではなく剪定バサミで、もしくはノコギリを使って作り直さなければならない。
施工前 施工後



この場合も数少ない孫芽を大切にして切り詰めていく。
このくらい伸びてしまったら2段3段下の孫芽で切るようにしなければ形が出来ない。
孫芽が無い場合は途中で切ってもそこからは新しい芽は出てこないので枝分かれしている
ずっと元で切るしかない。
それによって穴が開いてしまうようなら他から枝を持ってきて棕櫚縄で誘引してやる。
一箇所から何本も枝が出ている時は、内側に向かっている枝を切って外枝を残し、2枝になるように
していく。


孫芽(脇芽)を大切にする これだけ伸びると逆に切り応えがある?

ざっと書いてきたが
実際、マツの手入れは説明しただけでは上手く通じない(私が口下手、文才が無いこともあるが)
ところがあるので、もし近くで植木屋さんがマツの手入れをしていたら近寄って作業を
盗み見するか(優しい植木屋さんなら?)教えてもらってから切るようにすれば良い。

どんな木でもこれに勝るものは無いのだが、特にマツは言葉だけでは言えない切る勘所というものがある。

〔追記〕
松は手間が掛かる木なので必然と脚立に乗ってる時間も長くなってしまう。
だから私は、4〜5mくらいの松の手入れでは、アルミの四つ足の脚立ではなくペンキ屋さんなどが使ってる(良く見ると思うが)オレンジ色の鉄パイプの脚立を使ってます。
あれだと脚を自分の体重で地面に突き刺して乗れば安定が良くふらつきません。
それ以上の高さの松では2002年の12月の「施工状況」の写真にもある脚が末広がりのアルミの脚立が安定性もあって軽いし、天辺まで乗っても座って作業が出来て楽です。
なるべく無理な体勢で長い時間作業をしてると腰にもきますから脚立を立てる時に
手入れをする枝が楽に出来るよう設置して作業をして下さい。






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