(某ニュータウン植栽工事)PART2
ゼネコンの現場で造園業者というのは一番最後に残って締めくくりをする業種だ。
今年に入ってから内輪でポツポツと消化させていた植え込みも
2月に入ってからT期工事の工期が迫るとゼネコンの監督の目の色が変わる。
「早よ仕上げろ」と急き立てる。
今まで自分達のペースで進めてた土木屋さんも急に人を50人くらい増やしたりして
こちらの仕事量がいきなり増やしてくれた。
最後の締めはコチラなのでこういった現場は、突貫になるだろうというのは分かっていたが・・
それでも土木の方がもう少し工程管理をしっかりと進めてくれてれば
こんなことは無いのにと憤りを感じる。
どこの現場でも(ゼネコンの工事現場では)大抵そうなる。
仕様が無いといえば仕様が無いのだが・・・
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| 施工前 | 施工後 |
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| 施工中 | 施工後 |
そうなってくると当然ウチのメンバーだけでは間に合わなくなるので応援の手を頼むことになる。
初めのうちは、3社に声をかけて10人くらい来てもらったが
それでも間に合わなくなってくると1社2社と増やしピーク時には8社の同業者に
応援に来てもらい、人数にすると1日30人以上。
最高で40人近くで作業した時もあった。
この年度末の忙しい時に各会社から何人か手配して来てもらうのだから
私としても恐縮しきりの連絡だった。
しかし、いざ現場で仕事をすると、一生懸命になってくれる。
本当にこういうとき横の繋がりというのは有難い。
皆ごちゃ混ぜで作業をするのでジョウヨウ(1日いくらで働くこと)になるのだが
どこも「何とか1日過ぎれば良いや〜」的な考えの職人は居なかった。
応援の手は、高いので本当は頼まずに自分のところだけでこなすのが理想だが
その分、工程も早く進むので次に控えている別の現場に早めに入れる。というのが利点かな・・
1日30人以上で作業をすると当然早い。
その日に到着した低木何千株も芝何百束も1日で消化してしまう。
我々は、生き物を扱う商売なので、何時までも植えずに放置しておくわけにはいかない。
木は待ってはくれない。植えられる箇所が出来上がったら1日でも早く植えてあげねばならない。
まして乾燥してる日が続くと。
次の作業へ支障が無くスムーズに進める為、自分は皆と一緒になって
スコップを持って植え込んではいられない。
図面や数量表を片手に広い現場をアッチ行ったりコッチ行ったり。
東に邪魔なコンクリが出れば「ハツリ屋さん」に声をかけハツってもらい
西で植え込み箇所にタイル張りやら照明器具の設置などが終わってなければ
そこの職長と打ち合わせして優先して施工してもらう。
材料を下す所も毎日検討して他の業者の支障にならないようにする。
これだけの業者が重なって作業してるので下ろす場所も重要だ。
自分のところだけなら段取りもスムーズにいくのだが、ソレは仕方ない。
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現場が出来上がってないうちにラフターで吊らなければならないような高木は真っ先に植え込む。
後からではクレーンも入れなくなってしまうからだ。
↑のクスノキを植える箇所は、水はけの悪いところだったのだが、植え込み箇所の変更をする
ことが出来ないので、深めに掘ってパーライトを敷き込み、パーライトの筒の「DOパイプ」を
5箇所くらいから根に沿わせて地上に出し蒸散させ排水性を良くする。
パーライトは酸素の供給もする。


歩道側に植え込む樹木は、グレーチングで植栽地を覆い歩行の妨げにならないようにする。
四脚鳥居で支柱をするのだが、こういうところに設置する場合手間が掛かる。
この街路樹は、クロガネモチで今年の初めに取っ掛かりに植えグリンナーも散布したのだが
元気に育ってくれることを願う。最近この根回りにリュウノヒゲを植えた。


樹高が6m以上で寒風に晒されるところの常緑樹には寒冷紗を施す。
寒冷紗といっても化学繊維の出来合いだと材料費と手間代が掛かるので
孟宗竹を幹に抱かせる。これが中々防寒の役目をする。
植木卸屋さんでも苗木に笹を抱かせて冬を越すところがある。
見た目は悪いが枯れて取り替えることを考えれば、その手間は惜しまずに施しておいた方が良い。



職長は、メットに緑のバンドをつけなくてはならない。
それから全員「私は、高所作業では必ず安全帯を使用します」のステッカーをメットに貼る。
安全帯は、植木屋も常時装着してなければならない。
毎日「危険予知活動表」(KYKと呼んでいるが)を仕事が終わったら事務所に提出しなければならない。
記入漏れや書き間違いがあると出し直しをさせられる。
職人は、毎朝8時の朝礼に参加しなければならない。
このころは、300人くらい。それでも以前より随分と減った。
その他にもゼネコンにより違うが、現場にルールがある。
その決まりごとなどを列記する。
| @月初めには「安全大会」が朝礼場所で13時から行われる。 ここで始めて所長が顔を出し挨拶をする。 |
| A毎週水曜日は13時から職長安全パトロールというのがあって、各業種の職長が何人かで 班を形成し、現場内を歩き是正すべき箇所や危ないと思われる行為、道具などを チェックし、ミーティングルームに戻ってから報告し合い後で改善するように促す。 |
| B毎週金曜日の13時から「一斉清掃」と称し、作業員全員で現場内の清掃をする。 この時は、コンテナ車も現場に入ってくる。あっという間にコンテナ1台が型枠の切れっ端 やらガラなどで一杯になる。 |
| C作業中の休憩や昼食は、決められたところまで行って取らなければならない。 決められたところ以外で取ってるのを見つかったら昼の打ち合わせのときに 「工事費からタップリと差し引く」と言われる。 |
| D↑でも書いたように毎日11時半から12時まで昼の打ち合わせに出なければならない。 明日の材料の搬入やら通行止め箇所、諸報告など打ち合わせ工程の管理を行う。 |
| E基本的にコンテナのゴミ処理費は、ゴミを突っ込んで無くても毎月各業者から均等な金額 を差し引かれる。それなら捨てなきゃ損。でも各コンテナには分別する為のゴミの種類の 札がぶら下げられており、剪定ゴミは「混合廃棄物」のほうに捨てるように命じられている。 これを守らず「ダンボール」や「ビニール類」のほうに誤って 入れちゃうと「工事費から分別の手間代をタップリと差し引く」と言われる。コレ口癖。 |
| F毎週の安全当番やトイレ掃除など業者で持ち回り担当する。 |
こういう決まりごとは、これだけの人数が入ってると、あって当たり前
大切なことだと思う。
ただ、私的には現場内の清掃にもっと力を入れるべきだと痛感する。
よく鉄板の上に転がってる釘やらビスを発見する。それも半端で無くある。
私は、見つけたら拾って捨ててるが、車が往来する鉄板の上に
これだけ落ちていると、いつか・・いや既にパンクして中々帰れなかった車とかあるんじゃないだろうか。
それと使った型枠の散らかし。
先日、型枠に刺さったまんまになってる釘をコチラの不注意もあるが
嫌というほど踏みつけてしまった。
この時は、激痛が1日あったが釘の場合痛みは2日ほどで消える。
(植物のトゲのほうが厄介だ)
痛い思いはしたくない。そういった廃材は、直ちに片付けて欲しい。
疲れもピークに達してるときだったので、ついアタリに怒鳴り散らした。
それから道具の管理。
道具の整理整頓を各社強調してもらいたい。
よく土木屋さんが「スコップ貸して」とか「ジョレン貸して」なんて言ってウチの道具を
借りに来るが、100%しっかりと元の場所に返って来た試がない。
自分とこの道具はどうしたの?と聞きたくなる。
あとで現場内に放り投げたままになっている場合もある。
5時になったからと道具を元に戻す時間が惜しくそのままにして帰ってしまったのだ。
それだけならまだしも。そこに放り投げてある道具を尚もほかの業者が使い
挙句の果ては持って帰って行ってしまう。
そのため道具が次第に無くなってくる。
今度からコノキリとかハンマーに至るまで弊社のシールでも貼っておこうかと思う。
スプレーを道具類に吹きかけてみたが、あまり効果なかった。
しかし、「借りたものは返す」こんなことは当然のことなんだけどね・・・

ヘデラを植えた箇所にはウッドチップを敷いて裸地を隠して景観を損なわないようにする。

法面は、この後クローバーなどの種子を吹き付ける。

U期工事隣の植栽では、建築で使っている揚重機(100tレッカー)が空いた時間を見計らって
樹木を吊り上げてもらう。
このレッカーなら4tくらいのタイサンボクも楽々。

6尺丸太は、1000本くらい使ったが現場には置いておくところが無いので
弊社の資材置き場に取り寄せておく。
鳥居は、予め作っておくと現場で組み立てる手間が省ける。
その作成は、親方に頼んだ。
以前はクレオソート塗りのを使ってたが、何処かの役所で「発癌性物質がある」「臭いがきつい」などの
理由で白丸太(素丸太)を使うようになり、他の役所でもそれに横へ習えで何処でも白丸太を使うようになった。
コチラとしては、単価も安いし皮膚が被れたりする心配も無いので嬉しいことだが。

2日おきくらいに搬入する樹木の山。
それでも大勢で役割分担して剪定し、幹を巻き、運搬し、立て込めば早い。

間もなくお客さんが入居のための内覧会があるので、出来上がった道路には
ブルーシートが敷かれ養生し、汚れないようにする。

仲間も頑張ってくれた。

インターロッキングは汚さないように!
汚したら即清掃水洗い。

雨の日も風の日も・・・
当然、日曜祭日も無く・・・

さあ、後もう少し!

階段下で植え込みが効かない所にもバークチップを敷き景観が損なわれないようにする。

植え込んで灌水し仕上げたところもこのように他業者の車で踏みつけられる。(右画像)
結局どこがやったのか分からず仕舞いだった。頭に来たので今回このページに載せた。
冒頭にも最後に残るのは造園業者だと書いたが
残工事で残る業者が電気屋と設備屋もチラホラ残ってダメ直しやらしている。
植え込んだ後に掘り返されることもあるが、その時は予め打ち合わせして
きちんと元に戻しておいてもらうようにしている。
この場合は、両者の合意があるので納得出来るが
何も言わず去ってしまうのには頭にくる。チトしつこいが・・・
どんな仕事でもそうだが、仕上げた仕事は自分とこの作品でもある。
それを無下に踏みつけていくというのは例え故意じゃなくても頭にくる。
間違えて壊してしまったのなら誤りに来るくらいの事はして欲しい。
こちらだって、このくらいなら「弁償しろ!」とまでは言わない。

T期工事終わり間近に検査があった。
検査員の指摘はほとんどが固いもの(建物とかインターなど)で我々の方は
追加樹木や植え込んだ低木のちょっとした種類の変更くらいで納まった。
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今月の18日からは、T期分の入居者が引っ越してくる。
100所帯分くらいある各棟5棟はほぼ完売したという。
現在すぐ近くに地下鉄の新しい駅も完成しつつある。
今やT期工事は無事完了し、土木の方はU期に進んでいる。
次回我々の出番は本工事完了間際の6月か7月頃で、またドタバタするだろう。
その頃また「ユンケル」を飲み続ける日々が続くに違いない。
| 施 工 後 全 景 |
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